民主党の鳩山時代のマニフェストの達成は不可能であることは明らかになった。事業仕分けで、その財源１７兆円近くを捻出しようとしたが、３兆円止まりに終わったからである。
　これを国債で穴埋めするにはあまりにも多額過ぎるのだ。民主党は、その予測の誤りを率直に国民に詫びるしかあるまい。
　野党は、これを民主党が国民を騙したような言い方をするが、騙したわけではなく、民主党の不明であったのだ。
　しかし、この点を除けば、消費税率の引き上げにしても、ＴＰＰ参加にしても、自公民と民主党の政策の差は大きなものではないし、民主党は野党の意見も入れようといっているのだから、熟議の余地は充分あると思う。
　少子化、財政破綻、新興国との競争激化、世界の多極化など日本のマイナス要因の多重化を考えれば、与野党が協力してこの難関を乗り切ることこそ日本の命運を決するのだ。
　この自覚こそ、今の政治家に課された最大の死命だと思う。
　村上新八