行政革新会議の分科会が、財政支出に関する会計検査院への官庁の証拠書類が年に５０００万枚を超すほど膨大になるのことに着目して、数百万円の過大支出に手間を掛けるより、政策効果が低い数千億円の支出の適否に注力すべきと批判した。それに対して、会計検査院は「それは権限外だ」として、その批判に反論している。
　分科会が指摘した気持ちは、良く分かるが、憲法９０条、会計検査院法２２条では、会計検査院の検査権限は、国の資産の受け払いに関するすべての検査に限定されており、政策そのものの適否判断は権限外とされているから、この分科会の指摘は誤りである。
　政策自体の適否を判断するのは国会のはずだが、その機能が全く果たされていないことは、問題である。それは「政策仕分け」を継続的に実施する委員会でも作ってやるような仕組みにするしかあるまい。
　村上新八