ＴＰＰの参加に向けて各国との折衝に入る、と言ってハワイのＡＰＥＣに向かった野田は、「全品目を俎上にのせる」と言ったとか、言わないとか。アメリカが「全品目」と誤解しているから、訂正を申し込むとか、訂正を申し込むつまもりはないとか、情報が錯綜している。
　が、ＴＰＰは、本来関税をゼロにするというのが目的だから、全品目を俎上に載せるのが本来のやり方である。
　そのなかから、国益を大きく損なうものについては、除外にしてもらう、あいは、関税削減のペ－スを落としてもらうなどの話し合いをすることになるべきものである。交渉力が大事だ、というのはその意味である。
　その対応措置を十二分にしてから、ＴＰＰに参加するのが万全であるに決まっているが、９ヶ国でル－ル造りが始まっており、今顔を出してかないと、ル－ルが決まってからでは不利になるだけだ、という判断で野田が決断したものである。
　野党は、中身が分からない、と言っているが、中身を決めるのはこれからだから、分からないに決まっている。今、分かるのは心配だけである。
　野田の決断は間違ってはいないと思う。
　村上新八