著名な中国も人権家であり作家である余傑氏が渡米し、記者会見で、中国の警察から、自分が受けた拷問についての詳細を証言した。
　２０１１年度のノ－ヘル平和賞の受賞が劉暁波氏に決定した際、彼と親しかった余氏が突然、警察当局に拘束され、理由も告げられずに、目隠しをされたまま、１００回以上も殴打され、失神して病院に運ばれた。その際、医師に失神の原因を告げたら殺すと警察に言われ、何も言えなかったという。
　その後、中国の批判を一切しないことを条件に渡米を許可されたのだ。
　彼はこんな約束は、強制されたものだから、無効だと判断して証言したのである。
　しかし、中国警察の、理由なき拷問と渡米許可は、意図的になされたものであると思う。
　「アラブま春」のような民衆の蜂起を心配する中国は、余氏のような人権家が中国国内にいて、民衆を啓蒙することは危険であると判断して、米国に追い出すことを計画したものであると思う。
　海外での批判なら、犬の遠吠えで国内には届かないからである。
　これが、中国の人権無視の実態なのである。
　村上新八