このところ円安は進み、株価は上がっている。結構なことではあるが、一寸早とちりみたいな感じもする。
　デフレが２０年も続いて、景気の回復を待ちくたびれていたのだから、わ－っと沸き立つ心理が分からないではないが、財政出動、金融緩和は出来るが、三番目の矢「成長戦略」はそう簡単にはゆかない。
　うまい成長戦略によって、新技術開発、新規起業、雇用増、所得増、消費拡大とつながらなければ、今の株高はおっちょこちょいの早とちりの線香花火、残るのは円高による物価高、生活の一層の困窮、再びかぶの下落だけに終わるのである。
　そうならない、という保障は何もないのである。
　借金は増えるだけ、少子は変わらず、高齢化は増える一方、年金も医療保険ももたなくなる可能性だけは確実なのだ。
　気を引き締めてかからないともとんでもないことになりかねない。
　村上新八