北朝鮮政府は、６日、ピョンヤンにある各国大使館に対して、戦争が起きたら、大使館の安全は保障できないから、退去を検討するように、という勧告を出した。
　これに対して、各国大使館では、平静に受け止め、今のところ退去を検討している大使館はないという。
　例に依って「見え透いた瀬戸際参戦に出たな」と軽蔑の眼で見ているためであろう。
　しかし、北朝鮮が、こんな通告をする意図は何であろうか。
　北朝鮮は、金成日の生誕１０１年の記念日にミサイルを打ち上げる準備をしていると伝えられているが、休戦協定の一方的破棄や韓国に対する３日間での壊滅作戦の発表やら、米本土へのミサイル攻撃準備の完了通告など、精神異常とも思える言動を続けているが、今度は各国大使館への撤退勧告ときた。
　その意図は、「北朝鮮は、これだけ米韓から脅威を受けており、我慢も限界にきているのだ。だから各国は米韓に自重し、北朝鮮の気持ちを察して、北朝鮮への制裁措置を緩和するように勧めて欲しい」という訴えなのであろう。
　ならず者が、勝手に刀を振り回しておきながら、仲裁と同情を求めるような、滑稽極まるど田舎芝居のお粗末な一幕である。
　村上新八