国会の終盤になって、野党は参院予算委欠席を理由に、首相問責案を提出、野党多数で可決してしまった。首相問責となれば法案の審議は出来ない。そのために重要な「電力改革」や「生活保護改正案」など４案が審議されずに流れてしまった。
　これは自民党の作戦であったのだ。
　つまり、野党を唆せて、首相問責を決議させ、法案の審議が出来ないようにして、それを「ねじれ」のせいにし、こういうねじれがあるから国政が進まないのだ、だから今度の参院選むでは、是が非でも与党過半数にしなければならない、と国民に訴えたかったのである。
　阿倍は、このようなねじれを起こさせたのは自分の責任であるから、今度の参院選では是非与党過半数にする責任があるなどと、しおらしい振りをしてみせる老獪な狸ぶりである。
　こういう小細工に、うまうま載せられた野党はバカなのか人がよすぎるのか。いずれにせよ、自民党の狡猾さが勝った勝負であった。
　村上新八