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  • from: jun_zoさん

    2008年02月17日 21時07分17秒

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    本の紹介(ヤン・ファン・エイク)


     以前にも少し触れましたが、
     「ヤン・ファン・エイク 光と空気の絵画」について改めて感想も交えて、簡単にご紹介します。

     著者は、大谷大学教授の小林典子氏。ヤン・ファン・エイク(1390頃〜1441)の光と空気の表現、細密な描写、豊かな階調による油彩表現がなぜこの時代に突然出現したか、「フランドル地域の職人的な経験」から生まれたという定説に対し、フランス・ヴァロア朝による初期ユマニズムにより、アリストテレス学、アラビアの学問がパリに移植されたことが背景にあると指摘。ヤンがパリで時祷書の写本彩色挿絵を手掛け、当時の最新の知識に触れていた可能性について明らかにしています。
     この時代、ギリシャ語、ラテン語文献の翻訳により、フランス語に数百にも及ぶ造語が生まれたとのこと。11世紀にアラビアのアルハーゼンが眼球の構造にまで踏み込んで考えた光学、ユークリッドの系統をひく数学的伝統、ガレノスの解剖学・生理学などの学問が移植され、空間の認識に新たな解釈が試みられる。
     では、古代光学・中世光学の概念とは何か・・。光は太陽やローソクによって生まれる直接的な光であるルクスと窓から入って部屋の隅々にまで届く付帯的な光、ルーメンに区別される。スペキエース(形象)が空気を伝播して眼球の表面で認識される。

     ヤンがそうした知識に触れたことを直接証明する証拠はまだ見つかっていないそうですが、アルノルフィニ夫妻の肖像の凸面鏡や窓から入る光の表現の背景にそのような知識、画家自身の関心や興味があった可能性は否定できないといえそうです。

     また、本著の主題ではありませんが、油彩技法がヤンよりも早い時代に行われていたこと、ヤンの技法がグリザイユではないこと、混合技法ではなく油彩であること、点描やひっかいた描写などかなり自由な技法を使っていることなどにも触れていて、絵を描く人にも大変面白く読める内容となっていると思います。
     

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