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  • from: 庵主さん

    2022年02月20日 11時03分10秒

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    名言名句第七十二回 君看よ双眼の色、語らざるは愁い無きに似たり。

    君看よ双眼の色、語らざるは愁い無きに似たり。 ~出典不詳。『槐安国語』に白隠の句あり

    江戸中期の禅の高僧、白隠慧鶴(はくいんえかく)の名句です。
    臨済宗大徳寺派の祖、大燈国師の語録に、白隠が評語と下語を付した、『槐安国語』に収められています。(ただし白隠のこの句の出典は不詳とされています。くわしくは下記リンクを参照してください。)

    ◆良寛「君看雙眼色 不語似無憂」の典拠について(ぱぽ書房)
    https://bit.ly/3rUbjy5

    同書より、大燈国師の元の句(千峯雨霽露光冷から始まる、左の七字四行の句)と、それに付した白隠の句(右の君看雙眼色。不語似無愁以下の四行)をご紹介しましょう。

    千峯雨霽露光冷   君看雙眼色。不語似無愁
    月落松根蘿屋前   眼中無見刺。耳裏絶聞塵
    擬寫等閑此時意   若識琴中趣。何勞絃上聲
    一溪雲鎖水潺潺   莫嫌襟上斑斑色。是妾燈前滴涙縫

    禅語はそもそも詩や文学ではなく、悟りを開くための修行として唱え、学ぶべきもの。
    和歌や漢詩のように、解釈し、観賞するものではありませんが、時としてその語感の美しさに、祖師の深い教えに到達できなくとも、感動し、魂がふるえることがあります。

    「君看よ双眼の色」も、禅修行者はもとより、古くから書家や文学者に愛唱され、度々引用されてきました。
    もっとも有名なのが、良寛の書であり、二行双幅のものと、一行のものがあります。榊莫山はこの一行ものを良寛の「涅槃の境」と称しています。
    芥川龍之介はこの句を好んで自ら色紙に書き、『羅生門』の扉を飾らせ、作中人物にも書かせています。

    君看よ双眼の色、語らざるは愁い無きに似たり。

    人は悲しみや苦悩が深ければ深いほど、静かに澄んだ目をしているように見える。
    名句の解釈は、語り手自身の底を見せてしまうものですが、今一度声にも出して味わってみたいものです。

    『禅林句集』(岩波文庫)の解説では、禅に傾倒した詩人、高橋元吉の次の詩が、この句を思い起こさせるようだ、としています。

    みづのたたえのふかければ おもてにさわぐなみもなし
    ひともなげきのふかければ いよよおもてぞしづかなる

    (『高橋元吉詩集』昭和37年)

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