～的セレモニーはすべて開花に沈黙することと蝶に魅入ることとのあいだに収まってしまう。だから知性にとっては「あんな口をしている」のであり情緒にとっては「ひねもす効果的」なのであり意図にとっては「主客一如」くなのである。

【持つまじき者の多かる世の中に持つまじきもの女子にこそ】ではムソルグスキーは分からない。
【大海原に立つさざなみも奇しきかな常世の国に通うと思えば】ではブラームスは分からない。
【去年の秋窓際植えし紅椿咲きか散らむ見る人無しに】ではストラビンスキーは分からない。
【汝が魂はいずちより来し幼子よ文目も知らに笑うを見れば】ではエルガーは分からない。

ボールペン様では本来的にメシアンの良さが分からない。
サインペン様では根本ニールセンの良さが分からない。
万年筆様では爾来ブルックナーの良さが分からない。
毛筆様でも荒唐の無稽リストの良さが分からない。

科学哲学にはモーツァルトの良さが分からない。
論理哲学にはベートーベンの良さが分からない。
見本哲学にはマーラーの良さが分からない。
分析哲学にはＲＶＷの良さが分からない。