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from: とさん
2026/03/04 01:25:28
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中東における日本の友人 — イランにおけるアメリカの戦争
イタリアミラノコルディナ冬季オリンピックが終了した2026年2月22日翌の23日から開始された核軍縮等に関するイランとアメリカの協議、交渉は、おそらく継続を前提として27日に一旦終了した。イランの報道からは、今回の交渉中は戦闘は行わないことが協議開始の前提条件だったようです。2月27日時点では「大きな進展があった」と報じられていましたが、最終的に合意には至っていませんでした。事態は一転し、その数時間後にトランプ大統領の周到な準備の作戦で相手国代表は死亡していました。
今から考えれば、横浜から中東に展開していたロナルドレーガンを中心とした第5空母打撃群に加えて、ジェラルド・R・フォード の急援を行ったことから、あからさまに最初からトランプ大統領は作戦実行が前提だったかのように思えます。イランにとっては、交渉が単なる部隊配置の時間稼ぎだったという、示した誠意が完全にだまさしうちにあった、という形でしょう。さらにベネズエラ同様、今回もトランプ大統領は国連等の手続きも、自国内の議会承認もなかったことから、民主的なルールとの関係が問題になりそうです。イランにとっての『真珠湾攻撃』とも言えるこの作戦は、世代を超えて対米感情に深い傷痕を残すことになるのではないか。
さて、日本とイランの関係は、出光興産社長出光佐三によるタンカー日章丸の大胆な派遣に始まります。終戦から5年、第一次中東戦争が有り、朝鮮戦争中の1951年、イランの最大の資源である石油は、英国石油メジャーの完全支配下にありました。これに業をにやしたイランは、石油生産設備や権利を国有化します。現代のアメリカのように、英国がイランの経済封鎖を武力を用いて宣言、実施し、イランが世界から孤立してしまいます。敗戦による戦後復興中の日本には、連合国に逆らう余裕がなかったにも関わらず、出光は秘密裏に契約するだけでなく、国際法等の調査や日本政府の影響まで考慮し、英海軍の裏をかいてイランに日章丸を接岸しました。世界が躊躇していた中の民間船の接岸は快挙で、世界中で報道されました。帰路も機雷原を抜け、東南アジアや日本周辺の英国駆逐艦を交わして無事帰国しました。1953年3月23日に出航、4月10〜15日に停泊、積み積み込み、5月9日に帰国しました。
素晴らしいのは、出光は単純な商売ではなく、連合国や石油メジャーへの不合理への反対姿勢や、日本にとっても石油の自由な取引を確立すること、搾取され貧困に喘ぐイランへの共感と手助けなど、合法性と倫理的信念の「義:日本式のMoral Integrity with fears 」によって行動し、それを達成したことでした。
結果的には、2回目(8月)に米英が仕組んだモサデグ政権転覆事件(クーデター)(1953)によってモサデグ政権が倒れます。石油資源は再びメジャー(今度は英、米、仏で山分け)の手に戻ってしまいましたが、出光が連合国メンバーのイギリスに逆らってイランの石油を購入したことは世界的には小さな出来事でしたが、当時の両国民に大きな影響を与えたようです。
これをきっかけに、日本とイランは関係が深まります。昭和の後半に入って、国家プロジェクトとして今度は政府も協働して石油化学プラントを手掛けます。石油をただ資源輸出するだけでなく、付加価値をつけてイランの国益につながるようにすることです。しかし残念ながら、このプロジェクトはイランイラク戦争によって中止されてしまいました。米イの関係が悪化するにつれて、時代はアメリカと同盟を組んでいる日本もイランとの国家間の関係を維持しにくくなりました。
一方で、イランと日本の関係はこれまでの経緯を共に礎にして、民間レベルで維持されています。イラン国内のアフガニスタン難民対応支援や食糧支援、同じ地震国としての耐震技術、防災の技術移転などです。直近では、2014年からウルミエ湖の再生支援が始まっています。
このプロジェクトは、気候変動による乾燥化に加え、周辺での過剰な農業用水の汲み上げ、ダム建設などの要因で発生しました。湖が干上がると有害な「塩の嵐」が発生し、周辺に住む数百万人の健康や農業に壊滅的な打撃を与えます。これはイランにとって国家レベルの環境危機でした。日本は、単なる資金援助ではなく、日本の高度な「節水技術」と「地域コミュニティの巻き込み」を組み合わせた日本の特徴的なスタイルで進められています。水量を抑え高収穫な農業技術や、農業以外の産業の構築など、節水と新規産業を開拓しました。その成果や手法は、周辺の主要な湖沼にも拡大され、イラン国民が自らの行動でプロジェクトが拡大しているようです。結果的に、日本とイランの協力関係において「最も成功し、かつ現在進行形で続いている人道・環境事業」の一つと評価されているそうです。
今回のアメリカ(というよりはトランプ大統領?)の武力行使は、目的のためには手段を選ばない民主的手順を無視した先進国らしからぬ行動です。日本の高市総理もトランプ大統領の「強烈な怒り(Operation Epic Fury)」についてはノーコメントを維持しています。これは、彼女が賢く振る舞っているのか、アメリカに媚を売っているだけなのかはまだわかりません。中東外交でイランとの関係をうまく調整し、困難とは思うけれど、トランプ大統領との認識の違いをも調整してくれることを期待します。
イソップの「太陽と北風」で、日本が太陽を演じられることを祈ります。-
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