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from: とさん
2026/05/05 18:32:53
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アナログな偏流測定線からレーダーまで、航法ツール -- WWIIの日本海軍機

WWIIにおいて、日本は今より広大な太平洋領域を支配しました。一方で、電気通信工学の知識や新技術活用の発想力が乏しく、本来の優位を逆手に取られてしまうこともあったようです。現代にも直結する発想力を否定する固定化を顕著に示すエピソードがあります。
WWIIの日本の艦上機には、水平尾翼に旭日のような模様や白線の入った塗装が見られます。空母にも、離艦方向に、風向を示す放射状のラインがあります。これらは、一部の国やその国民のような放射状図案嫌悪症患者の対象になるものではなく、純粋に横風を修正するために用いられた日本独自の編流測定線(目盛)でした。
真珠湾攻撃で活躍した九七式艦攻。
「そらかさい(兵庫県加西市鶉野)」の実物大模型には描かれていません。
横須賀D4Y1艦上爆撃機「彗星11型」。
靖国神社遊就館の復元彗星には表示はないようです。
愛知B7N1-2 流星(改)
九九式艦上爆撃機。
前者は、横風による進路誤差を縮小する工夫です。航空機は横風を受けると、流されて機首方向に進むことができず、大洋を長距離飛行しているとどこにいるかを見失ってしまいます。それによって、敵艦隊を発見できなかったり、発見しても位置情報が不正確になって不利になってしまいます。そこで、島や必要によってはブイを投下して、まずは自然に飛行します。横風で偏進していれば、マーカーが結果的にはある角度で観測され、その角度が横流れと合成された方向です。その角度が分かれば、機首を同じ角度で風上に向ければ、キャンセルされてマーカーを起点に目標の方位が維持できます。非常に簡単に横風修正ができますが、風の状況が変化すれば誤差が生じます。この方法は、実は日本独自の方法でした。
欧米では、この原理をきちんとした光学計測器に置き換え、非常にコンパクトに精度良く光学式「偏流測定儀(ドリフトメーター)」として視差ゼロで運用していました。したがって尾翼を利用する必要はありませんでした。
https://en.wikipedia.org/wiki/Drift_meter
さらに、無線航法システム「YE-ZB」も併用し、誰でも確実に自空母に帰還できるようになっていました。YE-ZBは、夜間でも正確に空母の方位を得ることができたので、パイロットは安心して出撃することができ、優秀な人材や機材の損耗を防ぎました。
その仕組みは、空母から指向性の強い電波で各方位に方位符号を送信し、艦載機はその符号の示す方向に進路をとれば、母艦と遭遇できる、というものでした。受信側には指向性アンテナを要しないシステムを考案したところがアイデアです。
https://militaryhistorynow.com/2024/03/11/ye-zb-hayrake-the-top-secret-radio-navigation-system-that-helped-americas-carrier-pilots-defeat-the-japanese/
このとき、指向性の電波を発信したのが、指向性アンテナでした。このアンテナの活用法はさらに発展し、高周波を用いたレーダーへと進化します。WWII中盤以降は、英米のレーダーによって大海原の日本軍は艦隊も航空編隊も位置情報を先に知られて圧倒的不利に立たされてしまいます。
このアンテナ、そう、かつてのUHF放送やデジタル放送でも使われる八木・宇田アンテナです。WWIIの15年ほど前に論文発表されましたが、「四方に飛ぶのが電波である」という発想によって、国内では黙殺されてしまいました。しかし欧米ではこの機能に注目し、無線航法装置やレーダーなどへと発展させていったのです。
なお、日本がこの指向性アンテナを知ったのは、開戦後一年を経て、シンガポールで得た英国技術資料にYAGIという符号を見て捕虜を質して初めて日本人の科学研究成果のアンテナの存在と、それが重要なコアエレメントであると知ったそうです。もちろん、時すでに遅く、高周波発生器マグネトロンに必要なニッケル、銅や、精度と安定性、耐久性のある真空管製造技術もなく、何よりも電気通信技術者をすでに多く失っていたため、開発は進展しませんでした。
新しいもの、新しい発想をネガティブに封じ込める日本企業の文化は、脈々とその頃から育まれているようですね。
なお、空母のマーキングは、発煙装置と併用して離着艦時の操艦に用いたようです。サークルで活動するには参加が必要です。
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