心の変化は必ず行動や体の変化となって現れてきます。それをつかむことで問題がこじれずに対応することができます。
　そして、それはどんな姿として現れてくるのでしょう？

・最近、叱られることが多くなった。
・机の中が乱れている。
・忘れ物が多くなった。
・友達とトラブルが多くなった。
・字が乱雑になった。
・言葉遣いが悪くなった。
・何度も失敗をするようになった。
・口数が少なくなった。

　うまくいかなくなることが重なっていくと、自分に自信がなくなり、投げやりになっていきます。それが、また負を呼び、悪循環となっていきます。

　それを断ち切るためには、一旦冷静に自分を見つめる場を設けなければなりません。

　根本的な原因は何かを探らなければなりません。ただ、この作業は、なかなか骨が折れるものです。
　一つ一つ皮を剥ぐように１枚剥いでは、「これは違うかな。」また、「１枚剥いではこれは違うかな。」と原因を探るのです。

　渦中の本人も何がどうして、こうなったのか、わけがわからない状態でいるので、聞いてもなかなか分かりません。ただ、体が反応しているのです。ですから、一旦離れて、一緒に考えるというスタンスを取ることになります。

・家庭での生活の変化はないか。
・親子関係で足りないことはないか。
・家族内のトラブルはないか。　など

　情報が集まらなければ、関係者からの情報も必要となります。保護者の力を借りることも必要となります。

　「最近、ちょっと様子がおかしいのですが、何か変わったことはありませんか？」と連絡を取る。電話で不十分ならば、直接会って話をすることもある。

　問題行動を取り上げるのではなく、「なぜ、このような状態になっているのか、その原因を探りたい。」そして、「一緒に解決したい。」という思いを保護者に伝えれば、協力していただけるでしょう。

　一緒に考えることになれば、常に連絡を取り合って、子どもを見守ることになります。この一緒に見守ることがとても子どもにとって大切なのです。子どもが「私は守られている。」と感じたとき、自分らしさを発揮できます。

　子どもは自分の気持ちを十分言葉で伝えることはできません。周りの大人が心を読み取る力をつけることが、子ども理解につながります。