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  • from: 玖路さん

    2011年03月04日 15時13分17秒

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    生と死と 血と肉と骨の 物語


    字あまり。あ、いえ。本文からの引用です。

    というわけで? 電撃文庫刊の『ダブルブリッド』を、ようやく全巻読破しました。
    一巻が出たのが2000年2月、九巻が2003年12月。
    そして十巻が2008年5月。そのちょうど半年後に出た短編集まで読み終わったのが、ついさっきです。

    なんでもっと早く読んでおかなかったんだろう、と後悔。
    良いとか面白いとかではなく、素晴らしい。この一言に尽きる。

    特異遺伝因子保持生物、通称"怪(アヤカシ)"
    人と変わらない外見と知性を持つモノを甲種、それ以外を乙種と定め、内閣府にその存在を公認された甲種は、日本国憲法に定められた国民の権利を有し、義務を負い、公職に就く事も認められている。
    "甲種"を集めて作られた、警視庁刑事部捜査第六課に所属する片倉優樹と、
    警視庁の対"怪"部隊、緊急捕縛部隊に所属する山崎太一朗。
    二人の出会いから、物語は始まる。

    これだけだとラノベや漫画でよくある、異種族間のボーイ・ミーツ・ガール物と言えばそうなんですけど、全然レベルが違う。
    それはひとえに「キャラが立っている」ことに大本があるんじゃないかな、と。
    優樹が優樹で、太一朗が太一朗であったからこそ、始まり、深まり、そしてその先があるのだと。全ての物語を読み終えて、そう感じました。
    これは私が好む物語全てに共通する項目なのですが、結末を曖昧にせず、予定調和のようにまとめず、苦しんで、ぶつかって、傷つけあって、そして答えを出す。それが顕著な作品でした。

    それはさておきこの『ダブルブリッド』、前述の二人だけでなく、とにかくキャラ立てが凄い。別に特徴的な笑い方をするとか、語尾に変な口癖をつけるとか、そういうあからさまな特徴付けをしていないのに、同時に四、五人が発言しても、どれが誰のセリフか簡単に分かります。これは凡百の作家には、望んでもできない理想の描写力ですね。

    ただ、筆力が確かなのはいいのですが、虎に似たアヤカシが子猫を食べる描写が二ページにわたって綴られているシーンとか、苦手な人は苦手でしょうね。個人的にはひたすら感心するだけなのですが。

    それはさておき。
    自身の命に責任を持って生きるということを、改めて考えさせられた傑作でした。
    ラストシーンで偶然ipodが『Just be friends -piano version-』を流して、ガチ泣き。

    キャラクター 10
    世界設定   9
    文章(筆力) 10
    構成     8
    ストーリー  9

    傷ついて、傷ついて、傷ついて、傷ついて、それでも戦い抜いた片倉優樹の物語を、たくさんの人に読んでもらいたいと、思います。

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