私の旅は、国内国外問わずに、植物特に蘭に関わる旅がほとんどです。楽しみたいことがあっても、植物などの用事を組み入れての旅です。それ以外は、本当に数えるくらいです。そのわずかな蘭と無関係な旅のひとつが北インドの奥地の約２週間のトレッキングの旅でした。ここは東が中国、南にパキスタンで北にカラコルム山脈に隣接したところです。
...ニューデリーからレーに着き滞在しました。ラダックの主都レーですら標高3,500ｍです。
ここで、高所順応しカルギルを経てそしてザンスカールにきてここでキャラバン隊を組ん頂いて、交通手段の馬に乗り、各地のトレッキングコース目指しての旅でした。
一つの目的地に着くとそこからは歩き、歩きのロングコースです。標高5,000ｍを越える峠を幾つも越えての旅で疲労と反比例した素晴らしい景色の連続でした。夜は夜で美しい満天の星空に感動した毎日で、そして、そんな旅の終盤でのこのワンラ峡谷でのトレッキングでした。
ワンラ峡谷では常に景色に圧倒され続け、しかも終始恐怖の状態でしたのトレッキングでした。
下からの川の流れの響き、上からのゴロゴロ、ガラガラの落石の音。異世界にまぎれ込んだ事を後悔しながらの歩きでしたが、この世界から離れる時、「二度と訪れる事が出来ないかもしれない世界を、もっと堪能したかった！」と段々と後悔が始まりました。