語句は欝になったことはないけれど、ノイローゼになって、大学にも行けませんでした。高校３年の２月位からですから、高校卒業にはもう支障なかったのですが、そのあと書いた詩を、だいぶ柔らかく直したものです。

青春のない二十歳

青春のない二十歳（はたち）に、その人はいた。
青春のない二十歳を、その人は知った。
昨日（きのう）もなく、今日（きょう）もなく明日（あす）もなく、
夢もなく、友もなく、自分自身さえ虚（うつ）ろにしか存在しない世界。
例え不幸でも、美しさが有れば、
どれ程慰（なぐさ）められるか知れない。
でも、そこには、肯定できる何ものも無く、
死ぬ気力さえ失って、腐って枯れてしまった二十歳の枯れ草が有るだけ。
見える筈もない、知る由（よし）もない、呪われた世界に、
愚図な個体が漂（ただよ）っているだけ。
悪夢なら、まだしも、
目が覚めれば消えてしまうが、
否定が永遠に続き、尽きることの無い世界から、
抜け出すことなど、叶うべくも無い。
ただ、青春のない二十歳に、その人はいた。

小さな日記とか、神田川とか、名前は分からないけれど「手首の傷は癒えないけれど」という歌詞の歌など、手の届かないほど、うらやましい幸せな世界に見えたほどでした。

でも、結局それは乗り越えることが出来ました。ただ、体力がないことだけは仕方ないですが。