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  • from: orimasaさん

    2008年05月21日 10時29分17秒

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    日本周遊紀行(111) いわき市Ⅲ・「勿来の関」



    いわき湯本から旧国道(6号)を経て、茨城県の県境でもある「勿来」へ来た・・。
    国道から勿来海岸の反対側に小高い丘があり、その一角に古来の「勿来の関」がある。
    東北の三古関(白河の関、念珠関=鼠ヶ関)の一つであり、因みに、念珠が関(ねずがせき)は小生が出発して2日目に通過している。又、この古関は源義経と弁慶ら主従一行が平泉に逃避する際に通過してことで知られる。 

    「勿来の関」は、往年の東北の都・多賀城へ通ずる、陸前浜海道の東北(蝦夷)への入り口として重要な関所であった。 古記には大和朝廷期にヤマトタケルが蝦夷(えみし)の蛮族を征伐するのに通った・・、との記載もあり、4世紀ごろから主要街道として機能していたという。 

    平安期の後期(1051年)においては東北・陸奥の国で一大動乱(前九年の役、後三年の役)が勃発する。朝廷はこれを治めるべく源氏の棟梁「源義家」(八幡太郎義家)を陸奥国守として任地の陸奥国に赴かせる。 この時、源義家は「勿来の関」で休泊の時、一句詠んでいる
    <font size="2" color="#0000FF">「 吹く風を 勿来の関と 思へども 道も背にちる 山桜かな 」
                      

    平安期の頃は東北(蝦夷)の戦乱期も加わって、この浜海道は大往来時代を迎えている。近くには「三箱の湯」もあって、高家、武人、都人、文人墨客(万葉人)等も多く行き来していた。
    太洋を望む美景の丘・「勿来の関」は、奥州三古関 と呼ばれており、古くから万葉集の中でも詠まれ、その後も多くの歌人らによって詠まれたのがこの地である。
    この周辺は古来より風光明媚な地にあって、松のこずえ越しに太平洋が一望でき、今でも山桜の名勝としても有名で、県立自然公園に指定されている名勝である。

    そして歌枕としても名高い「勿来の関」は、古来、“やんごとなき”人々より愛され、詠まれているのである。
    「 みるめ刈る 海人のゆきゝの 湊路に 勿来の関も わが据なくに 」   新勅撰和歌集 「小野小町」  
    《海人が往来す湊路に来ないで、などという関は設けていないのに最近あなたは逢いに来てくれないのね》

    「 惜しめども とまりもあへず 行く春を 勿来の山の 関もとめなむ 」    夫木和歌集 「紀 貫之」    
    《いくら惜しんでも過ぎて行く春だけど、勿来の関よどうか春を止めて欲しい》

    「 なこそとは 誰かはいひし 云はねども 心に据ふる 関とこそみれ 」   玉葉和歌集 「和泉式部」    
    《逢いに行けないと言う恋人の返事に《来ないでなんて誰が言ったと言うの、いいえ誰も言ってはいないわ、あなたが心に関を作って私に逢いに来ないだけだわ》

    「 ほととぎす 勿来の関の なかりせば 君が寝覚めに ますぞ聞かまし 」 「藤中将実方」

    「 吹く風を 勿来の関と 思へども 道も背にちる 山桜かな 」 千載和歌集 「源 義家」    
    《花を散らす風は「来るな」、と言う勿来の関には来ないはずだが、何と道いっぱいに山桜が散っているとは・・・》

    「 陸奥の 信夫の里に やすらいで 勿来の関を 越えぞわずらふ 」 新勅撰和歌集 「西行」
    《誰にも言えぬ人目を忍ぶ恋に、「来るな」と言う関を越すべきか越さざるべきか迷い悩む私です》

    「 聞くたびに 勿来の関の 名もつらし 行きては帰へる 身に知られける 」 「後嵯峨天皇」

    「 越えわぶる 逢坂よりも 音に聞く 勿来は難き 関と知らなん 」 新千載和歌集 「藤原道綱の母」    
    《越すのに難儀する逢坂の関よりも更に噂の高い勿来の関の堅固さは貴方もご存知でしょう、私は勿来の関なの 口説いても 無駄よ》

    「 よひよひに かよふ心も かひぞなき 勿来の関の つらきへだては 」 朝五百番歌合せ 「大僧正頼意」
    《毎晩逢いに言っても貴女は合ってくれない 貴女のガードは勿来の関のようなのがつらい》

    「 名にしおはば 勿来といふと わぎもこに 我てふこさば ゆるせ関守 」 堀川百首 「藤原基俊」
    《噂では絶対に通さないと言う堅固な勿来の関の関守よ 彼女に逢うのをみのがしてくれ》

    「 いとはるゝ 我が身勿来の 関の名は つれなき中や 初めなるらん 」  新続古今和歌集 「藤原為氏」
    《なぜか貴女に厭われる私 勿来の関の由来もこんなつれない二人の仲からきてるのかな》

    「 恋侘びて 昨日もけふも 越ゆべきに 勿来の関を 誰かすゑけん 」  堀河百首 「河内・・」
    《いつだってあなたに逢いたくて恋わずらうのに 勿来の関を設けて逢えなくしてるのは誰なの あんたでしょう》

    「 なこそせに 勿来の関は 行きかふと 人も咎めず 名のみなりけり 」 「源 信明」
    《名高い勿来の関だから簡単に行ったり来たり出来ないと思ったが、そんな事は無いんだ、 名前だけで全然人を咎めないよ》

    「 都には 君に相坂 近ければ 勿来の関は とほきとを知れ 」 続千載和歌集 「源 頼朝」

    「 聞くもうし たれを勿来の 関の名ぞ 行あふ道を いそぐ心に 」  新拾遺和歌集 「綬二位為子」
    《勿来の関の名を聞くのもつらい事だわ 彼に逢いに道を急ぐ私に「来てはならん」と言う名の関のあるのは》

    「 東じは 勿来の関も あるものを いかでか春の こへてきつらん 」 後拾遺和歌集 「源 師賢」

    「 都人 恋しきまでに おとせぬは 勿来の関を さはるにやあらん 」 永久百首 「源 兼昌」
    《都のあなたにこんなに恋しく思っているのに 便りさえくれないのは勿来の関のせいにしてない・・?》

    「 あずま路に ききし勿来の 関をしも 我が故郷に 誰かすゑけん 」 季花集 「宗良親王」


    次回は、 北茨城・「野口雨情」

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