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from: わかさん
2009/03/13 05:47:14
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早期の解決を
筆洗 東京新聞 朝刊 2009年3月12日
<母のことを聞いて、一片でも母の面影を自分の心の中にじかに焼き付けたい>。
こうつづった手紙を、飯塚耕一郎さんが外務省に託してから五年がたつ。
北朝鮮による拉致被害者、田口八重子さんの長男になる
▼あて先は、田口さんから日本語を学んだ大韓航空機爆破事件の実行犯、
金賢姫(キムヒョンヒ)元北朝鮮工作員。昨日、面会が叶(かな)った。
二人が抱き合う場面は、親子かと錯覚するほど親密に見えた。田口さん
を介し、お互いに他人とは思えないのかもしれない
▼拉致は耕一郎さんが一歳の時なので、養父で田口さんの兄でもある
繁雄さんの話と写真でしか、母の思い出がない。もう三十二歳になる。
「お母さんによく似ている」と声を掛けられてうれしかったろう
▼金元工作員の著書を読むと、田口さんは酒に酔うと「今何歳かしら」
とわが子の年齢を指折り数えては身の上を嘆き、雲を見ては会いたい人
の顔にだぶらせていたという。幼子ではなく、大人になった姿をどれほど
見たいことか
▼詩人八木重吉の『母をおもう』という作品には
<けしきが/あかるくなつてきた
/母をつれて/
てくてくあるきたくなつた/母はきつと/
重吉よ重吉よといくどでもはなしかけるだらう>
とある
▼田口さんも帰国が叶えば「耕一郎よ耕一郎よ」と、呼び掛けるような
気がする。「お母さんお母さん」との返事を、心待ちにしながら。
フォト:だいかいどの駐車場から見える梅林
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