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  • from: わかさん

    2009年12月25日 05時39分09秒

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    その後の 菅谷さん

    <回顧 ’09栃木>足利事件 それぞれの18年 冤罪の重さを痛感
    東京新聞 2009年12月24日


     師走の寒風が尾根を吹き抜けていく。その冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んで眼下に広がる街並みに目をやった。

     「変わってないなあ。やっぱり故郷はいい」。今月二十一日、足利事件で無罪が確実になった菅家利和さん(63)が、地元市民と足利市の両崖山に登った。青春を過ごした母校、たたずまいが大好きな鑁阿(ばんな)寺、その向こうには陽光きらめく渡良瀬川…。山頂から見える景色を一つずつ確かめ、十八年ぶりに故郷に戻った喜びをかみしめた。

     激動の一年だった。一九九〇年に同市で女児が殺害された事件で無期懲役刑が確定し、服役した。だが、DNA型再鑑定で冤罪(えんざい)が判明。今年六月、十七年半ぶりに釈放された。

     「自分の人生が今もどこか信じられない。気持ちは逮捕された時の四十五歳のままなんだけど」。釈放後、刑務所にはなかった鏡で自分を見て驚いた。深いしわに白髪頭。失った時の長さを容赦なく突きつけられた。故郷の山や川は変わらぬ姿で迎えてくれても、拘置、服役中に他界した両親は、もういない。

     「結局、この事件で救われた人は誰もいないんだ」。取材する度、先輩記者がつぶやいた言葉が耳に響く。ある日、突然犯人にされた菅家さん。威信をかけたはずの捜査で敗北を喫した警察。そして、何より、まな娘を奪われた遺族は真犯人が別にいることを知り、再び古傷を開かれた。

     それぞれの十八年を思い浮かべるとき、冤罪の重さをあらためて痛感する。裁判員時代を迎えた年ならなおさらだ。だからこそ、菅家さんの訴えに耳を傾けたい。「なぜ自分が逮捕され有罪になったのか。DNA鑑定をした人にも取り調べた検事にも裁判で教えてほしい。それが失った時間への答えになる」

     市民が吹くオカリナの音が山に舞った。曲は「ふるさと」。「再審がうまくいけばいいね。桜が咲くころ、また登ろうよ」。肩を抱いて呼び掛ける仲間に、菅家さんはそっとうなずき、目を閉じた。判決は来年三月二十六日。故郷の山にも春の芽吹きが訪れる。(

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