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from: わかさん
2010/04/22 05:43:21
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強制起訴に踏み切った
【コラム】
筆洗
2010年4月21日 東京新聞
刑事裁判の被告にボランティア活動を勧め、実際に更生意欲を確かめたうえで、執行猶予付きの判決を二度、言い渡したユニークな裁判長がいた。刑事裁判を長く担当し、一昨年に退官した安原浩さん(66)。弁護士に転じた安原さんが今度は「検察官」になった
▼二〇〇一年に十一人が死亡した兵庫県明石市の花火大会事故で、神戸地裁から検察官役に指定された安原さんらはきのう、業務上過失致死傷罪で当時の明石署副署長を在宅起訴した
▼有権者から無作為に選ばれた十一人で構成する検察審査会の「起訴相当」の議決を受け、初めて強制起訴に踏み切る歴史に残る一日になった。時効停止の立証など困難も多いが、安原さんは「有罪判決を取れると確信している」と語っている
▼民主党の小沢一郎幹事長の政治資金規正法違反事件も、東京地検の不起訴処分の是非を検討している審査会の議論が大詰めのようだ。仮に「起訴相当」の議決なら、20%台の支持率にあえぐ鳩山内閣の屋台骨をさらに揺るがすことになる
▼検察が独占してきた起訴権限の一角を市民が担うことは、司法制度改革の果実の一つだ。その実現は、図らずも審査会の判断が政治に直接影響を与える時代になったことを意味する
▼刑事訴追をめぐる検察の判断は、以前から「政治的配慮」が指摘されてきた。それだけに、風穴が開いた意味は大きい。
フォト:芝桜内での菜の花のコラボ
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