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from: わかさん
2010年05月14日 05時33分16秒
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なぜシンナーをやめないのか?
おりづるの会@和歌山より抜粋
村尾泰弘 (立正大学社会福祉学部教授)
「現代のエスプリ」2010年5月号、若者と薬物乱用 p5〜21.
から抜粋。記事は買って読んでください。
◎なぜシンナーをやめないのか
再犯をしてきた少年にその気持ちをこまやかに聞いたりして、
自分なりにその「なぜ」について整理してみた。
ーつめはシンナー少年たちには「人に迷惑をかけていない」
という考えがあるということである。
二つめは、我々、指導者側がシンナー遊びをしたことがない
ということに関係している。かれらには「シンナーのことは
あんたよりも俺たちの方がよく知っている」という強い自負心が
あるのだ。「あんたはシンナーなんか吸ったことないだろ。
俺たちは毎日吸ってるんだ。だから、あんたなんかより、
俺たちの方がよく知っているんだ。お説教はたくさんだ」
こういう論理になるらしい。我々の訓戒や説諭は糠に釘で
ある。実際にはかれらは本当の意味では薬物のことをよく
知らないのである。ごくわずかな一部のことをよく
知っているだけなのだが。
さて、実際にシンナー講習を受けたのに、再びシンナーで
捕まってくる少年たちの言い分には、次のようなものがある。
「あの映画を見てたしかにシンナーが体に悪いと言うことは
よく分かった。だけど、あれはあれ、自分たちは違うと思っていた」
かれらはシンナーが体に非常に悪いものだということは
分かったというのだ。これはおそらく嘘ではないだろう。
しかし、かれらはお互いに支え合うのである。
「あの先輩なんて毎日吸ってるのに、大丈夫みたいだ」
「おまえは大丈夫か」「ああ大丈夫だ」「どってことないね」
「そうそう」 こんなふうにして、お互いを支え合ってしまう
のである。これが三つめである。
最後は何かというと、これは非常に深刻である。
「あの映画を見て怖くて怖くて仕方がなくなった。それで、
その怖さをまぎらわせるために、また吸ってしまった」
これがいわゆる中毒の世界なのである。
このような薬物乱用が非常に進んだ少年に安易に恐怖感を
増大させると、それが引き金になって吸引を促進する場合がある。
つまり、誰に対しても怖がらせればよいというものでは
ないのである。
薬物依存の程度、傾向などを考慮しながら対応する必要がある。
やっかいなものである。
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vivi、
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