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from: わかさん
2010/08/16 05:23:10
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後世の人々から戦前責任を問われないように。。。
<本音のコラム> 東京新聞 8/15付け
「平和の裏で」 山口 二郎
第二次世界大戦での敗戦から六十五年たち、戦争を直接経験した人から
体験談を聞くことができるのも今のうちという実感を強くする。
NHKは戦争の記録についての新しい番組を幾つもつくっているが、生
きているうちに経験を話しておきたいという当事者の証言には大変な重み
がある。初めて発見さる資料があることにも驚かされる。放映された玉
砕の真相という番組も、戦争指導者の無責任を描いて衝撃的であった。
戦争を知らない世代の一部はあの戦争、あの時代を勝手に美化しようと
する。しかし、無謀きわまりない戦争を開始し、日本と外国で合わせて一
千万人を超える人間に非業の死を強いた指導者の責任は永久に追及されな
ければならないし、その時代を美しく描くことなどできるはずがない。
今の日本は、戦争をしていないという意味では平和を謳歌している。し
かし、沖縄では多くの住民が米軍基地の圧迫に苦しみ、若者の中には閉塞
感のあまり希望は戦争と叫ぶ者もいる。
平和の現状に対する不満や怨念を生み出し、それを無視することは平和
を掘り崩すことにつながる。われわれの世代は平和を望んでいるはずだ
が、知らず知らずのうちに戦前を準備しているのかもしれない。
後世の人々から戦前責任を問われないよう、心したい。
(北海道大学教授)
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