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from: わかさん
2010/11/19 06:02:07
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世界初の快挙
筆洗
2010年11月18日
日本で初めて動力飛行が成功したのは一九一〇年の十二月。東京の代々木練兵場で、日野熊蔵、徳川好敏両陸軍大尉が、それぞれドイツとフランス製の機体に乗って空に浮かんだ
▼ライト兄弟から遅れること七年。鳥のように空を飛ぶことは夢と思われていた時代の出来事だった。新聞には「快挙」「快事」の文字が躍った
▼それから一世紀。六十億キロメートルの旅から帰還した探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセル内の微粒子が、小惑星イトカワのものだったと分かった。月と彗星(すいせい)以外の物質を得た世界初の快挙だ
▼<日本から南米にいるハエを狙い撃ちするようなもの>と例えられたイトカワへの着陸、そして地球への帰還だけでも大偉業である。採取した微粒子の分析によって、太陽系の起源の謎を解明することに道を開く可能性があるという。夢は大きく膨らむ
▼東京・上野の国立科学博物館で開催中の「空と宇宙展-飛べ!100年の夢」に、はやぶさの実物大のモデルが展示されている。イトカワの名の由来になった糸川英夫博士が開発したペンシルロケットも、近くに展示されていた
▼敗戦から約十年後、糸川博士が手掛けた超小型の火薬式ロケットが、日本の宇宙開発の礎になった。ここからはやぶさも巣立ったのか。そんな感慨にひたる。おもちゃのようにも見える二十三センチのロケットがいとおしく思えた。
フォト:りんご園の”もみじ”
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