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from: わかさん
2011/04/14 05:29:04
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子供の臓器移植
【社説】
子供の臓器移植 透明性と検証の徹底を
2011年4月13日 東京新聞
改正臓器移植法に基づく脳死判定が十五歳未満の子供に対して初めて行われ、臓器が提供された。だが「プライバシー」を理由に公表された情報は少ない。これでは後が続くかどうか疑問だ。
臓器移植を仲介する日本臓器移植ネットワークによれば、臓器提供者(ドナー)は、交通事故による外傷で関東甲信越地方の病院に入院していた「十歳以上十五歳未満」の男子で、十一〜十二日、二回の脳死判定を受け、家族が提供を承諾した。
昨年七月に全面施行された改正臓器移植法では提供要件が緩和された。改正前にあったドナーは十五歳以上という年齢制限が撤廃され、本人の生前の意思表示がない場合でも家族承諾で提供できる。
改正法で国内での子供の脳死判定とそれに基づく臓器移植への道が開かれたとはいえ、親は脳死の子供の臓器を提供する際に重い決断を迫られる。法改正後も子供のドナーがそれほど増えないとみられるのはこのためだ。
こうした状況の中で今回のケースは、今後の子供の脳死判定・臓器提供の前例になるだけに、透明性が従来にもまして求められるはずだが、同ネットの対応はこれにこたえているとはいえない。
ネットがいうように、ドナー家族のプライバシーの保護は重要だ。だが、多くの親が関心を寄せるのは、ドナーが誰であるかよりも、子供を脳死判定された家族がどのような経緯を経て臓器提供の承諾に至ったのかではないか。ネットはこの点をきちんと説明し、理解を求めるべきだが、公表した情報はあまりにも少ない。
十二日朝の会見で、記者側の質問に対し、脳死判定医や主治医の所属診療科、病院倫理委員会の委員構成や審議内容、主治医がドナー家族に臓器提供を持ちかけた際の内容などまで「控えさせてもらう」としたのは、移植に最も求められる透明性に反する。ネットはこれ以外にも「家族の意向」を理由にしばしば回答を拒んだが、実は「ネットの意向」ではないかと疑いたくなる。
プライバシーを保護する一方、必要な情報を開示して提供に至るまでの過程をリアリティーをもって伝えれば多くの国民の共感を呼ぶことができる。さらにその過程を後日、公の場で検証し、公明正大に行われたことが明らかになれば、ドナーの増加につながるだろう。
不透明さがぬぐえない脳死判定ではドナーが増えないことを肝に銘じておくべきである。
上野パンダキャラが名前クイズをやっていました。
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