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from: わかさん
2011/07/28 05:19:00
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続)証拠隠滅工作!!!
筆洗
2011年7月27日
ミステリー小説の醍醐味(だいごみ)は、決定的な証拠を隠し、罪を消し去ろうとする犯人と追い詰める捜査側の激しい攻防だろう。密室での証拠隠滅工作が複雑かつ巧妙であるほど、作品の完成度は高く、読み手を引き込む
▼「完全犯罪」を目指して、さまざまなトリックが繰り出されるが、捜査をかく乱する特別な狙いでもない限り、衆人環視の中で証拠を隠すような間抜けな人物や組織はまず出てこない
▼それがどうだろう。中国浙江省温州市で起きた高速鉄道事故では、メディアや地元住民が見守る中、最も重要な先頭車両という「証拠」が粉砕された上で、埋められてしまった。原因究明に必要な証拠の保全を無視する態度は、国際的な信用をどれだけ失墜させただろうか
▼インターネットで「証拠隠滅工作では」との批判にさらされた調査チームは、慌てて先頭車両の残骸を掘り起こしたが、政府批判は強まるばかり。共産党中央宣伝部は「否定的な報道をしないように」との通達を国内メディアに出すなど、引き締めに躍起らしい
▼猛スピードで追突した列車が高架下に転落してから、運転再開までわずか三十四時間。地元の運行責任者だけを更迭、惨事がなかったかのように復旧を急ぐ姿勢に驚かされる
▼公表された「落雷説」を疑う声も多い。「天災」を強調するだけでは、守りたい国の威信など軽く吹っ飛んでしまう。
フォト:朝顔
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