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from: わかさん
2011/09/28 05:47:01
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スギの木を見る目
雷鳴抄
スギの木を見る目
(9月27日 朝刊)下野新聞
県北の山道を歩いていると、スギの人工林がやたら多いことに気がつく。日本は先進国で有数の森林大国なのだが、その約40%がスギなどの人工林。県内ではこの割合がもっと高い
▼植えられたスギ林の多くは、どこの県でも手入れが行き届かずに、荒廃が目立っている。生き物の姿が少ない薄暗い林床などを目にするにつけ、スギ花粉症に悩まされる身としては、人工林についつい厳しい目を向けたくなる
▼慢性的な赤字と高齢化で停滞が著しい林業。その再生のため熊崎実・筑波大名誉教授は、地域レベルで間伐や択抜などを行って木材を供給、無垢の木材から集成材、パルプ用チップなど多様な製品を生み出し、木を余すところなく使うことの重要性を指摘している
▼石油や石炭の代替にし、その後に若い木を植えて二酸化炭素を吸収させるというサイクルができれば、安価で効率的な地球温暖化対策になるだろう
▼原発事故を受けて、県内でも再生可能エネルギーによるエネルギーの地産地消を実現しようとの機運が高まっている。地域振興や雇用創出、エネルギー面での自立のため、バイオマス資源の有効利用を進めることは理にかなっている
▼スギが脱原発と脱化石燃料を日本で実現するための重要な資源だと思うと、見る目も変わってくる。
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