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from: わかさん
2010/03/12 05:46:41
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国内に97空港もあったのですね!
【社説】 東京新聞 2010年3月11日
赤字空港続出 甘い需要予測のツケ
羽田や中部など拠点空港を含む全国の空港の約九割が、当初の需要予測を下回る利用実績だったことが明らかになった。政府の空港政策と公共事業のあり方が根本から問われている。
国土交通省が発表した二〇〇八年度の国内線利用実績によると、全国九十八空港のうち需要予測を上回ったのは羽田、名古屋、熊本、那覇など八空港だけ。予測と実績が明確に比較できる七十二空港では三分の一以上が予測値の半分以下だった。
同省の別の調査では国が管理する二十六空港のうち二十二空港が営業赤字に陥っている。地方自治体管理の空港でも大半が赤字とされており、今回の調査は苦境ぶりを裏付けた格好だ。
こうした折、国内最後の新設空港となる茨城空港が今日開港する。羽田、成田に続く首都圏三番目の空港だが先行きは厳しい。
都心から直結する鉄道も高速道路もない。定期便は韓国アシアナ航空のソウル便の一日一往復のみ。来月中旬からスカイマークが神戸便を運航するが、開港時に国内線ゼロはほとんど例がない。
同空港の当初の需要予測は年間約八十一万人である。航空自衛隊との共用で空港本体の維持・管理は国が行う。だがターミナルビルの運営は茨城県が実質的に担当する。早くも年間で二千万円程度の赤字が予想されている。
こんな赤字空港が続出している理由は需要予測が甘いためだ。
予測は将来の経済成長率や人口の増減、就航が見込める路線や鉄道、高速バスなどとの比較を基に算出される。厳密で中立的な作業のはずだが現実は恣意(しい)的だ。
国交省所管の財団法人・運輸政策研究機構の羽生次郎会長は本紙のインタビューで「予測の間違いは発注者(国)の意図をおもんばかってしまう点にある。地元業者の期待感も大きい。それを背中で感じる」と語っている。空港建設をめぐる政治家や官僚、産業界の圧力を示唆した発言だ。
政権交代で需要予測の実態が浮き彫りになった。国交省は今後、空港政策の重点を安全性向上や耐震化などに移すという。その方向はいいが、全国の空港の集約化も重要だ。離島路線などを除き、将来も需要が望めない空港は廃止すべきだろう。
また空港整備を含めた公共事業全体をもっと効率化する。ダムや高速道路と同様、無駄な投資にならないよう整備途中でも需要予測を再点検してもらいたい。
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