-
from: わかさん
2011/07/20 05:38:10
icon
撫子(なでしこ)やそのかしこきに美しき
【コラム】
筆洗
2011年7月19日東京新聞
夏の朝、開け放った窓の外から、幾重もの歓声が飛び込んできた。午前六時二十一分十七秒。サッカーの女子ワールドカップ(W杯)で日本代表が世界の頂点を極めた瞬間だった
▼日本全国でどれだけ多くの人が、未明から早朝のテレビにくぎ付けになったのだろう。手に汗握り続けたファンとは裏腹に、PK戦に臨むなでしこジャパンは冷静沈着だった
▼終了間際に、沢穂希主将のゴールで同点に追いついた時点で、すでに精神的に優位に立っているように見えた。米国が一本外した後、司令塔の宮間あや選手が放ったまったく気負いのないPKを見て勝利を確信した
▼準々決勝のドイツ戦で決勝点を挙げ、決勝でも同点ゴールを呼び込んだ丸山桂里奈選手は高校時代から帰宅後、東京都大田区山王にある急坂を百回駆け上がる練習を続けたという。彼女たちが栄冠をつかんだ後、その坂を上ってみた
▼ゆっくり上るだけで、汗が噴き出し息が切れる。車がエンストしそうなこんな急坂を百回も、と驚いた。「全力坂」と名付けたこの場所が丸山選手にとって「原点」だという
▼チームにとっての原点は、東日本大震災の被災者を励ましたい、という決意だろう。<撫子(なでしこ)やそのかしこきに美しき>(惟然(いぜん))。勝利の笑顔が弾(はじ)ける彼女たちの姿を見ると、古来の優美な花になぞらえたネーミングの素晴らしさをあらためて思う。
因みに ナデシコの花言葉を調べてみました:
花言葉
思慕 純愛 無邪気 純粋な愛
やまと・なでしこですね。
コメント: 全0件