自民党の政権構想会議は、３０日の会合で、前に公約した「国会議員の世襲制約」を撤回することに決めたという。
　世襲の弊害は、学校や企業への裏口入学と同じアンフェアな行為であるばかりでなく、先代のしがらみや利権を踏襲する、という弊害があることから、禁止、あるいは制約が一般的動向となつたものである。
　ひれを一旦きめておきながら、敗北したら、次の政権奪取のために、撤回するというのはいかにも、いじましい発想である。
　政権奪取は、堂々と正面から政策の違いを訴えて、行なうべきで、あまりにも姑息にすぎる。
　ここまで、「政権奪取の会議」でその方策に事欠いて、こんなこししか思いつかない自民党は、ここまで落ちたか、という感である。
　こんな政党は解党したほうがよい。
　村上新八

　２９日の参院総括質問の際、共産党の志位委員長の質問に答えて、鳩山は、「思いやり予算の効率化」を米軍と折衝する、と答弁した。
　これは０９７８年に、当時の自民党の副総裁金丸が、ベトナム戦後の財政逼迫と経済不振に同情して、始めたものだが、以来０８年までの累計は３兆円に上っており、０８年度の額は２０８３億円に達している。
　これらの費用は米軍基地勤務の日本人労働者の給与や米兵の娯楽費などに当てられているものである。
　第二次大戦の敗戦国、ドイツ、イタリアでもあるようだが、「気前がよい日本」と言われているくらいだから日本の額は飛びぬけているのであろう。
　しかし、一旦出し始めたものは、下げることは容易ではない。それは賃金引き下げよりもよほど難しい交渉である。
　米国の財政が大赤字の今、それは殆ど不可能に近いと思う。具体的にムダ使いわ指摘できる部分くらいであろう。
　村上新八

　日本郵政の株主は政府一人だけ。その株主総会、で新役員１８名が決まった。留任したのは西川辞任に協力した奥田トヨタ相談役だけ、斉藤社長、副社長２名は官僚ＯＢという「わたり」会社化した。
　斉藤は、「民営化でサ－ビスは低下したけというが、過疎地帯はしらないが、都市部では何も変らない。
　また、「政府から補助金を貰っている団体に、官僚ＯＢとして入って、何もしないで高給を食んでいる」という形ではないから、天下りでもわたりでもない」と言うが、国民はそうは見ていない。
　特に、郵便局を「行政拠点」として使おうなどという亀構想は、それを通じて官への逆戻りの画策ではないか、と懸念させる。
　郵政民営化の立役者竹中平蔵は、「５、６年後には国民に大損させることになるぞ」と批判しているが、どんな損なのかは言わないのは、単なる「こけおどし」に聞こえる。
　とにかくも年内には、日本郵政に経営方針を出す、というかせら、それを見て、判断するしかあるまい。
　村上新八

　民営化見直しを行なう日本郵政のトップ人事で、先に官僚ＯＢの斉藤を社長に起用した亀井は、さらに、４人の副社長のうち２人までを官僚ＯＢを起用しようとしている。
　これは、明白な「わたり」行為であり、「天下り」「わたり」禁止で大きな世論の支持を受けた民主党の公約に真っ向から違反するだけでなく、日本優先の役員選任のル－ルである「指名委員会」を頭越しに決めるという規則違反も問われることになるのだ。
　こういう、民主党の足を引くようなことをやる亀井、そんなことを予想してやったことではなかろうが、それを見越せずに亀井に人事を丸投げした鳩山、そして担当大臣の一人である総務相は、臨時国会で野党からの攻撃にどう応戦するのであろうか。
　村上新八

　行政刷新会議での２２年度概算予算のカット作業は大変である。時間的にも余裕がない。
　大臣、副大臣、政務官の３人でやれるような仕事量ではない。そこで、遊んでいる?新人議員を動員して手伝わせていたところ、小沢幹事長から「ベテランでも難しい事業仕分けなんかを新人議員にやらせるのはけしからん」とクレ－ムが付き、平野官房長官が平謝りでも、これを止めることにしたという。
　この新人勝代活用は筆者も提案したが、新人でも特定分野の政策には詳しい人もいるし、また、下仕事なら十分手助けできる仕事はあるはずである。
　ベテランが指示して、新人議員を大いに使うべきである。それが勉強にもなるのだ。
　今の大臣にしても、総理を含めて、みんな大臣経験のない、新米大臣ばかりなのだ。そんなのに大臣をやらせられない、というのは野党自民党の台詞だ。
　小沢のいちゃもんはおかしいし、これに平身低頭で従った平野の態度も卑屈である。
　村上新八

　２５日、バクダッドの中心部の官庁街で連続自動車自爆テロが発生、死者１４０人、負傷者６００人以上の犠牲を出したという。
　ザドル派やスンニ派か、アルカイダかは分からないが、米軍のイラク都市部撤退後最大のテロである。
　これでは、米軍撤退どころではなくなるのではないか。米国内世論はアフガンからも撤退との声が高くなっているなかで、極めて不愉快な事件である。
　イスラム過激派のテロが問題になり始めてから、２０年以上になるであろうが、この間、イスラム過激派との話し合いは一度もなかった。
　相手の指導者の名前くらいは分かっているのだが、これと交渉した事例は皆無なのだ。これでは、テロ解決への糸口もつかめないまま、テロが続くのである。その最大の被害者は何の関係もない庶民なのだ。
　「対話」を強調しているオバマは、テロ側と対話さえ出来ない、この事態をどう見ているのだろうか。
　村上新八

　厚労省の管轄範囲は広い。「Ｍｒ年金」として年金問題には詳しい長妻大臣も、医療、介護、派遣、雇用などの問題にまで精通しているわけではない。
　そこで、２４日に、臨時国会の委員会に備えるため、官僚からレクを受けたという。
　資料を見ながら、官僚の説明に対して、更に細かい質問をすると、官僚は「その点は野党からの質問通告が出てからお答えします」と答えた、と伝えられる。
　この記事を読んだとき、国会の委員会の席上、野党の質問の際に、官僚が大臣の席ににじり寄って、書面を渡したり、耳打ちしたりする、よくある光景を思い出した。これは、大臣が官僚の傀儡にされている図である。
　いよいよ、厚労省官僚による長妻洗脳攻勢が始まったな、と感じた。
　長妻大臣よ、副大臣、政務官と協力して、官僚の傀儡にならぬように、勉強してくれるよう、切に期待する。
　村上新八

　米の民間団体、アソシエ・エティが２２日、北朝鮮問題について提言した。
　アメリカが、北朝鮮と貿易促進を進めて、米政府に対する北朝鮮の評価を変更させよう、という主旨である。
　こんなことやれば、それは、とりもなおさず、北朝鮮の核実験やミサイル発射を容認するサインをアメリカが送ることなになり、北朝鮮は、「我々の勝利である」として、小躍りして、益々核開発に精を出すことになるであろう。
　こんな提案を、「核なき世界」を標榜しているオバマやヒラリ－が呑むことは絶対にあり得ないであろう。
　阿呆な団体がいるもので、あきれ果てる。
　村上新八

　実質９７兆円にのぼる概算予算削減の作業をオープンにしたことは良いが、どうも主婦のやる「やり繰り算段」みたいになってきているように思われる。
　鳩山は、野党時代に、自民政権の予算は「ムダが多すぎる」と攻撃し、民主党政権になったら、このムダを徹底的に退治すると言っていたのを忘れてもらったら困る。
　ムダ廃除を標榜する行政刷新会議では、「事業仕分け」グル－プを編成して、本格的な予算カット作業に入るようである。
　時間がないからやむを得ないが、「ムダ」の基準もはつきりしていない、各グル－プの恣意的な判断任せである。
　なかには、雇用促進事業とは言いながら、法の規制で「就職先の斡旋は出来ず、ただ、面接の仕方だの履歴書の書き方だのくだらない指導しかしないから、全く、開店休業の事業もあるが、こんなムダの例は稀なのだ。
　本当は、下請け発注、随意契約、法外な契約価格、遊び出張、から出張などにムダが潜んでいるのだ。
　これをいちいち探し出すことは容易なものではない。そんなものは、今回は、たとえば、経費削減１５％の一律指示で押し通せばよいのである。
　そういうことをしないから、主婦のやるやり繰り算段みたいなちめちめした削減になり、官僚が舌を出して「ざまみろ、オレたちの鉄壁は崩せなかっただろう」ということになるのである。
　村上新八

　亀井郵政担当相は、辞職させられた西川の公認に、元財務省事務次官の斉藤を起用した。鳩山の丸投げによる亀井の独断人事らしい。
　亀井は、「官僚ＯＢだと言っても、辞めてカラ１０年以上経っているから、差し支えない」と言っているが、斉藤にはその前に３６年も官僚をやっていたという経歴があるから、官僚臭も癖も骨の髄までしみこんでいる男なのだ。
　これでは、日本郵政は民から官への逆戻りの印象を与えかねない。
　民主党は、野党時代に日銀総裁人事で、大蔵次官経験のＯＢの起用案を二度までも蹴ったことがある。そのこととの整合性をどう説明するのか。
　平野官房長官は、「それとこれとは違う」と答えたが、更に、どう違うのか、と追求され、答えに窮していたという。
　日本郵政は庶民の３５０兆円ものカネを預かる庶民金融機関である。
　だから、少なくとも斉藤の日本郵政経営に対する基本理念をきちんと国民に説明させてから決めるべきであったのではないか。
　「官からの離脱｣を唱えている鳩山、亀井と政府の大ミス人事だと言えよう。
　村上新八