恒例のスイスでの「ダボス会議」で中国への各国からの注文が続出したという。
１グ－グルが中国からの撤退を検討している「メ－ル検閲」「ネット規制」に対する懸念の表明
２安値誘導が以前から問題になっている人民元のレ－ト切り上げの要求
３中国軍事費の年２桁続きの増大と、その内容の不透明性に対する懸念
４中国経済拡大に席巻される周辺アジア小国の経済発展に対する配慮の要求
５共産党独裁、非民主主義、人権抑圧体制のままで軽罪発展するという「異様な経済モデル」に対する危惧
　などである。
　これらはいずれも正当な懸念であると思うが、中国がこれに応えて是正することはあるまいが、世界としてはこのような主張を唱え続けることが必要であろう。
　村上新八
　

　２９日衆院本会議での鳩山首相の施政方針演説は、「いのち」と言う政治理念をもって、自分の考えを、自分の言葉で、自分で綴った演説として評価されてよいと思う。
　テレビでは鳩山の演説ははっきり聞き取れたし、野次も気にならなかったが、本会議場に臨席し人には、野次の怒号で鳩山の声が聞き取れないときが多かったという。
　聞いていて、野党にとって、頭にくるような内容では全くなかったはずだから、この野次怒号は演説妨害以外のねらいは考えられないのだ。
　国民が択んだ選良であるはずなのに、みっともないことおびただしい、誠に品位のないことである。
　「『野次』は議会の花」などという変な伝統があるようだが、気の利いた、笑いを誘うような野次がぽつんと出るくらいにして欲しいものである。それが「野次」が「議会の花」だという条件ではないか。
　下品で、下手な野次の常習者に対しては、国会で懲罰にかけるべきだ。
　村上新八

　中国で「０８憲章」を起草した作家、劉暁波氏が０９年末、懲役１１年の実刑判決を言い渡された。罪名は「国家転覆勧誘罪」だという。
　「０８憲章」は何と言うことはない言論の自由、宗教の自由そして複数政党を認めよ、という当たり前の民主主義を唱えたものに過ぎない。
　民主主義を説くだけで、国家転覆とは呆れてものが言えない。
　つまり、「国家＝共産党」と考えているから、民主主義を唱えることは、共産党独裁を否定することになるという理屈で、こういう裁判が罷り通るのである。
　それなら、「国家転覆勧誘罪」でなく、「共産党独裁転覆勧誘罪」としたほうが分かり易い。
　こんな国が、アジア覇権の野望を持ってするのだから空恐ろしくなる。
　それでも人口１３億人の市場に引かれて世界が先を争って中国に殺到し、人民搾取の低価格品で世界経済席巻に任せているのである。人権よりもカネなのだ。
　村上新八

　普天間基地の移転先に、奄美諸島の徳之島がマ－クされたようだが、島の３町長は、これを拒絶したという。
　基地を受け入れれば、その見返りに地域振興の助成金が出る。それは財政難に苦しむ地方財政にとっては大きな魅力であろう。が、住民に与える永続的な騒音、危険、不安と引き換えようと決意する
首長はまずいまい。
　大阪府の橋下知事が、いつか、「関西国際空港を使ったら」と述べたというが、この人は突飛もないことを言い出す人だから。、ど1こまで本気なのかは疑問である。
　彼が、関西国際空港を日本のハブ空港にしたい、という意欲を持っていたこととは大きく矛盾する話でもある。橋下のことだから、「ハブ空港」を羽田にとられたことによるやけっぱちの発言ととれないこともない。
　名護市市長選挙では、反対派が勝利し、小沢が早速お祝いを述べに、沖縄に飛んだ。こうなると、普天間案に戻ることもできなくなった。どうも、普天間基地移転問題は、宙に浮いてしまった感がある。鳩山に、５月末までにこれを解決する妙案はあるのだろうか。
　村上新八
　

　２６日の参院予算委で、自民党議員から、「民主党の政策は、自民党が掲げてきたものばかりで、新味がない」という発言があった。
　新味は、予算編成プロセスと予算の実施にあることを強調すべきだし、それを期待したい。
　鳩山政権では、自民党政権では６０年間できなかった官僚主導政治を政治家主導に変えつつあること、予算のむだ使いをなくしつつあること、「あまくだり」「わたり」を禁止すること、政策の実施を阻害する省庁の縦割りと族議員の弊害をなくし、政策実施を確実にすること、これだけあれば立派な新味なのだ。
　これらは、どれも自民党政権には、絶対にできなかったことなのである。
　鳩山と小沢の政治資金収支報告の問題がなければ、野党は政府攻撃のネタにもくろうするところであろうが、このネタにかぶりついても、野党の勢力挽回ができるはずがない。予算の成立に協力して、景気回復に力を貸すほうが、政界再編の芽も出しやすくなるのではないか。
　村上新八

鳩山は、名護市長選挙で移転反対派が、勝つであろうことを予想して、５月末までに決着すると言明していたのかも知れない。
　戦後６０余年経っているのに、いまだに沖縄島民が基地問題で苦しめられているのはのは、誠に忍びない。
　しかも、今回基地を辺野古に移転したら、そのまま永遠に居座る可能性が高いのだ。その意味では、今回が米軍基地を沖縄から減らす最後の機会だとも言える。
　鳩山がグズ呼ばわりされながらも、決定を長引かせている理由もそこにあるのではないか。連立与党である社民党、国民新党の意向もあるが、何よりも名護市民の民意は大きいし、それが明確になる時期まで引き延ばしておいて、隠し球の県外基地構想を打ち出すのではないか。
　そのくらいのことをやって、成功すれば、さすが「宇宙人」として評価されることになるのだが。
　村上新八

　２４日の名護市市長選挙では、普天間基地の辺野古移設反対派の島嶺氏が容認派の島袋氏を破って当選した。
　前３回は容認派が当選したが、今回はそれがひっくり返ったのである。
　騒音と危険はごめんだ、という思いはどこでも共通だが、それに加えて、政権交代で、移転先は「県外か国外」という考えが出てきたこと、民主党政権が、問題の決着を引き延ばしていること、その上、民主党の最強実力者の小沢が、普天間を視察して、「こんなきれいな海を埋め立てるのはもったいない」と発言したこと、基地見返りの政府投資の効果が低かったことなどが影響したのであろう。
　その一方で、アメリカは、辺野古移転の「政府間合意」に固執して、変えようとはしない。
　こういう選挙結果は予想外だったとは言わせないが、鳩山政権はこういう事態になった場合の対応は当然考えているはずである。
　鳩山は、例によって「最後は私が決定します。５月末までには必ずやります」とと云うだけだろうが、決定は決着ではなく、決着にはアメリカの同意が要るのである。
　５月決着も危なくなってきたのではないか。こうなれば、アメリカの「核の傘」に頼らない、日本の自主、自衛の方向も論議されねばならないのではなかろうか。
　村上新八
　

　政権交代で、攻め手を欠く自民党は、鳩山、小沢の政治資金問題で一挙に勢いついて、ここぞとばかり攻勢に転じようとしているが、とても党勢挽回には至らないであろう。
　鳩山、小沢の問題は、泰山鳴動鼠一匹の結果に終わるであろう。
　なによりも、国民が共鳴しているのは、官僚の特権、利権、ムダ使いと政官業の癒着構造をなくし、行政改革を徹底させ、真の政治主導を実現することである。
　これを更に推し進めてゆき、その徹底度を国民に認識させることが出来れば、自民党の出番は完全になくなるであろう。
　そうなれば、創価学会の基盤がある公明党や共産党は別として、他の保守系野党は、国民の支持基盤をなくしてしまうから、自民党を解党して再編成に乗り出すしかあるまい。
　平沼、渡邊喜美等は、好機到来とばかり、政界再編に奔走するであろう。それは日本の民主主義の成長にとって良いことである。
　村上新八

　２２日、証人として招かれた、当時の担当元検事は、菅家さんの求めにもかかわらず「一言の謝罪の言葉」もなかった。ただ、「ＤＮＡ鑑定の結果真犯人ではないことが分かって深刻に考えている」と述べるに止まった。
　当時のＤＮＡ鑑定の精度は低かったが、それを信じて、犯行否認しいるにも拘わらず、冤罪にしてしまったのには、ＤＮＡへの過度の信頼という検事の思い込みがあったからあろう。
　気が弱そうで、おどおどしている菅家さんの正直そうな性格を見抜けなかったとは言わせない。
　再度のＤＮＡ鑑定で確かめてみる配慮もなかったのだ。そういう点を素直に見つめ、１７年半もの間無実の罪に苦しめられた菅家さんの苦悩を思えば、一言の「謝罪」くらいはあってしかるべきである。
　「私のＤＮＡ結果を過信したため冤罪の罪を犯し、申し訳ありませんでした」と云うのと云わないとでは、菅家さんに残されたこれからの人生の快適度は大きく違うはずである。
　こういう配慮もない元検事こそ、菅家さんの言う「人間性の欠如」である。
　村上新八　

　足利事件で、冤罪が確実になった菅家さんの、無実確定の裁判で、事件に関する菅家さんに対する検察官の取調べテ－プの一部が法廷で再生された。
　健次の取調べの態度は、穏やかなもので、決して自白を強制するとか、誘導するもの、という感触は受けなかった。
　しかし、菅家さんのこれに対する応答は、曖昧で、警察段階での過酷な取り調べの際の「でっち上げられた自白」を肯定したものと受け取られてもやむを得ないと感じた。
　「やっていないもの」を、ＤＮＡ鑑定結果を基に、頭から犯人と決め付けられて、何日も締め付けられると、「もうとうでもいいや」という気持になってしまうのであろうか。ＤＮＡ鑑定がおかしい、間違っているとは云えなかったのであろうか。その当時の担当弁護士の能力も問題であろう。
　濡れ衣を着せられて、自分の尊厳が踏みにじられることに対する怒りや抵抗はかくも弱いものなのか。それは、そういう目に遭ったことのない者には分からない心境かも知れないが、人間の弱さにがっかりさせられるものであった。
　村上新八