鳩山の不起訴を不当として、審査を申し立てていた問題で、東京第４検察審査会は、不起訴相当の決議を下した。これで鳩山の起訴はなくなったわけである。
　法律上ではこれで無罪放免でも、政治上の問題は残るし、野党の追及も続くであろう。
　つまり、実母から毎月１５００万円もの資金供与を受けながら、これをつゆ知らずにいたという問題の経緯と理由、そしてその使途を、鳩山は国民に丁寧に説明する問題は残っているのである。
　さらに、今後このような問題を起こさないようにするための対策をも鳩山は説明する必要があるであろう。
　このような、国民の常識では考えられない事態については、「宇宙人だから」では済まされないのだ。
　村上新八

　日本の独立行政法人は、イギリスの真似で、イギリスが肥大化する官庁業務を減らそうと、外部に独立させる手法をとったのを、橋本内閣が真似たものである。
　これに、渡りに船と飛び付いたのが官僚なのだ。これをやたらに造り捲くって官僚ＯＢを送り込み、いらん仕事を一杯造って、高額の補助金をせしめてきたのである。
　年金受給年令になっているＯＢだけでは潰され易いから、子飼いの連中もそこそこ雇って、潰し難くくする。そんな作戦も隠れているようにさえ思うのだ。
　筆者の身の廻りにも分厚い「経営コンサルタント名簿」が、雇用差促進事業団から毎年贈られてくる。
　そのねらいは。この名簿を、各企業で、社内教育講師選択の参考とするものだ。というが、こんなものが使われたということは聞いたことがない。こんなムダがわんさとあることだけは間違いあるまい。しかし、そこまでは突っ込めないであろう。
　村上新八

　普天間移設の候補地を探しあぐねた政府は、原案の名護市の辺野古案を若干修正した案を米に交渉中だという。
　この修正案は、Ｖ字の滑走路を一本にする程度のものだという。これでは、原案と変わらないし、「国外、少なくとも県外」と期待を持たせ、何か月も掛けて、こんな「出戻り案」で決着させるのでは、鳩山は何をやってきたのか、と責任を問われることは必定であり、その結果は総辞職ということになるであろう。
　米側も、それみたことかと、修正案には耳を貸さないということになろう。しかし、この件だけて、改めて国民に信を問うための総選挙という形にはならないであろう。
　ともあれ、普天間基地移転問題については、鳩山、最大の誤算であったのだ。
　村上新八

　昨年暮れには高速道路の新設要求で、今度はその財源捻出のために苦労して決めた高速道路の新料金案に対する見直し要求で政府と党がごたごたし、ただでさえ急降下している支持率の足をさらに引き下げるようなことになっている。
　小沢は、幹事長として、党内と夏の参院選挙の仕切りだけやる、政策には口を出さない、内閣に一任する、と言っておきながらの再三の介入、口出しである。その度にごたごたして、国民の支持率を下げている。
　これは民主党とって大きなマイナスである。
　なぜ、それ以前に、党と内閣のミーコミニケ－ションを密にして、統一見解、統一政策をまとめて、世間に政府と党との不一致感を与えないようなことが出来ないのであろうか。
　まさか、小沢が自分の威力を見せ付けるために、政府が決めたことを、後でひっくり返してみせるようなことをわざとやっているのではないとは思うが、そんな感じさえするのである。
　村上新八

　一昨年は北京で「オリンピック」今年は上海で「万博」と、中国は、国家ＰＲに熱心である。
　しかし、もう「万博」の時代ではないと思う。
　「万国博覧会条約」というものがある。そこでは万博を次のように定義している。
　「ニ以上の国が参加した公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明が必要とするものに応ずるために人類が利用することができる手段又は人類の活動の一もしくはニ以上の部門において達成された進歩もしくはその部門における将来の展望を示すもの」
　かび臭い文言であることは止むを得ないが、稀代の悪文である。これ以上下手くそな文章はなかろう。が、これが万博の原点なのだ。
　地球が狭くなり、ＩＴ化され、グロ－バル化されている今日の世界では「万博」は、とっくに時代遅れの、かび臭い代物になっているのではないか。こんなものに世界から人が集まってくるとは思えない。
　上海万博は、中国国内の統一強化を狙いとする、内陸少数民族への見世物に過ぎないのであろう。
　それにしてもカネがないから見物にもこられないだろうが。
　村上新八

　辺野古に決められて、住民も諦めていたのに、民主党がマニフェストで「国外、少なくても県外に移転」などということを掲げたために、辺野古には希望を持たせながら、そんなものに賛成するところがあるはずのない代替地を求めて、半年もうろうろし、その挙句は、普天間に居座りということになりかかっている。
　マニフェストのこの項目は、鳩山の最大の誤算である。
　まさに、「やぶ蛇」「寝た子を起こした」茶番劇となりそうである。
　これをどう始末するのか、鳩山が総辞職するだけで済む問題ではなかろう。後の尻拭いが難しいからである。
　米軍、住民双方の同意が必要だが、引き受けてくれるところなぞは国内では皆無だ。海外でも、今のところはテニアン島くらいだが、これは米軍がウンとは言うまい。
　日米安保条約を破棄するわけにはゆかないであろうし、宇宙人鳩山にも「かくし玉」はないであろうに。
　村上新八

　足利事件についで今度は名張事件の再審決定だ。
　これは１９６１年に名張での会食の際に、農薬「ニッカリンＴ」入りのぶどう酒を飲んだ１７人のうち５人死亡、１２人が重軽傷を負ったという事件で、１９６９年、容疑者の奥西さんに対しする死刑判決が確定した事件である。
　これが再審となった理由は、奥西さんが持っていた農薬「ニッカリンＴ」に含まれているある成分が、犯行に使われたニッカリンＴからは検出されず、当時はぶどう酒のんなかで溶けたものとされていた問題が再燃したからである。
　５人も死ねば、当然死刑であるが、再三の再審請求のために死刑が執行されなかったというよりも、判決の根拠が薄いために執行を躊躇したものであろう。
　しかし、奥西さんは既に８４歳と高齢であり、４１年間も死刑執行という想像も付かない恐怖の毎日を送らされてきたのである。
　無実とすればあまりにも過酷な運命である。一日も早く、真実を再審理することを望みたい。
　村上新八

　オバマは「核なき世界」を標榜して、その手始めとして米ロの保有核兵器の削減条約を新たに締結した。
　オバマの本音は、核が拡散したら、いずれテロの手に渡り、米国が攻撃されることを何よりも恐れているためである。
　しかし、人類が核兵器技術を一旦手にしたら、「パンドラの箱」を開けたようなもので、その拡散は時間の問題であり、「核なき世界」を実現する前に核テロは起きるであろう。
　それはともかくとして、仮に「核なき世界」が実現して、最早「核の傘」が必要なくなったとしても、アメリカ軍の日本駐留は終わらないと思う。
　中国の軍事力強化は続くであろうし、それとの軍事力バランスの上から、アメリカ軍の日本駐留の必要性は変わらないであろうからである。
　そこを考えれば、アメリカは自身の日本駐留の居心地を良くするてめにも、日本の住民負担を最小限にする工夫をすべきではないか。恒久的に日本に居座るつもりならそのくらいの配慮は不可欠であることを知るへきである。
　村上新八

　金正日は、胡錦濤に食糧援助を依頼するために、近く訪中を計画しているという。
　慢性腎炎、糖尿、高血圧など多くの生活習慣病を抱えている金正日が、自身で訪中しなければならないほど、北朝鮮の食糧事情は極度に逼迫しているのであろう。
　それは分かるが、国内の食糧事情がそんな状態にありながら、核兵器の増産には、多額の資金を注ぎ込んでいるというのは、どう考えても本末転倒である。
　中国は、「６者協議」の議長国でもあるのだから、胡錦濤は、この際、盟友国のリ－ダ－である金正日に対して「核開発に使うかねがあるなら、食糧輸入に回すべきだ。それが一国の指導者としての在り方である。そうしなければ食糧援助には応じられない」位のことを言うべきである。
　村上新八
　
　
　

　中国の青海省で発生した大地震で、中国政府は、これを取材、報道に駆けつけるマスコミに「お触れ」を出した。
　その内容は、
・支援物資や医療陣の到着遅れの報道はしてはならない
・中国政府首脳の被災現場視察や被災者への見舞いについては、最優先で大々的に報道すべしというものである。
　海抜が４５００メ－トルという高地だから、救援が難航するであろうことは分かっているが、この報道規制はあまりにも見え透いている。
　青海省は、チベット族が８０％を占める自治省で、政治的に微妙な地域であり、この災害に対する中国政府の対応如何が、少数民族問題に大きな影響を及ぼすことが分かっているから、そういう気遣いをするのであろうが、いかにもみみっちい話である。
　これを裏返せば、それほど中国政府はチベット族など少数民族に信用がない、不断は何もしていないことを裏書きする行為なのだ。
　被災地の住民にすれば、偉い人が視察にくるより、一刻も早く救援物資を送れ、と云いたいであろう。
　村上新八