社民党は、連立政権からの離脱を決めた。福島党首が閣僚を罷免されたからである。
　「政権に恋々とせず」という言葉ある。「恋々といる」というのは「しがみつく」とか「はなれたくない」というニュアンスで、その裏には何か、政権にいることが「得になるから」と、いうような後ろめたさみたいなものを匂わせるような言葉である。
　いかにも、日本人好みの潔さよさそうな感じがするが、思慮の浅い、短絡行為である場合もある。
　福島の場合も、政権に残って、民主党が展開しようとしている改革を一緒になって推進するほうが、国民のためにはプラスになったと思うが、そういうことには成らなかった。政治的には、誠に短慮の仕業といわざるを得ない。
　これに喝采をする人は、政治的思慮の浅い人であると思う。
　村上新八

　パレスチナ自治区のＮＧＯ「パレスチナ人権センタ－」代表が、ガザの現状を語っている。
　それによると、０８年１２月２７日からの２３日間のイスラエルによる地上戦でのパレスチナ人の犠牲者は１４１７人、その８７％は民間人だという。
　さらに、イスラエルのガザ進攻から１年半経った現在でも、ガザ地区は封鎖されたままで、ガスも電気も燃料も届かぬまま、住民は動物以下の状態に置かれている、という。
　米国が仲介する形でのネタニヤフ政権とパレスチナ自治政府と野間の中東和平の間接交渉が始まっているが、ガザ地区は、パレスチナ自治政府と対立するハマスの支配下にあるとは云え、その前にこのような悲惨な状態を解消することが先決ではないか。
　国連の人権理事会も一体何もしないつもりなのだろか。こういうこともイスラム過激派テロの刺激要因になるのである。
　村上新八

　２８日の普天間問題に関する鳩山の記者会見は、真摯で誠意を尽くしたものであった。
　しかし、今日の朝刊には「正義なし」「誤算の連続」「米の意向色濃く反映」「切捨てまたも」「怒り心頭」「見識なき政治」など鳩山非難の大見出しが躍っている。
　鳩山が「誤算の連続」であったことも「米の意向」の壁を突き崩せなかったことも間違いない。
　しかし、鳩山は、善意で真剣に苦闘したこと、決して沖縄を「切捨てた」ということでもなかったと思う。
　総理として、最初からの誤算、見通しの悪さは問題視しなければならないが、それは決して悪意ではなかったことは認めるべきであろう。
　今までの自民党政権では、決してアメリカに要求しなかったことも要求しようとはしているのだ。これでアメリカも日本は、自分の言う通りに盲従してくる国ではなかったことも分かったであろう。
　これは、今後アメリカとの、新しい局面での交渉展開の橋頭堡にはなるはずのものである。
　鳩山の続投を求めたい。
　村上新八

　内閣は、辺野古移転絶対反対を唱える福島党首に配慮して、閣内合意には「辺野古」と書かないが、日米合意文書には、「辺野古」を明記する、というような小手先細工で、社民党の連立離脱を食い止めようとしている。
　こんな、二枚舌の馬鹿げたことは絶対にやるべきではない。ネタがみえみえの手品よりも劣る。
　福島が署名しないなら、堂々と更迭すればよいのだ。
　ただ反対だけなら、猿でも言える。代案は「テニアン島」などは、米軍が歯牙にもかけないくらいのことが分からないのか。
　それなら、「日米安保廃止」というほうがはるかにすっきりしている。
　この福島の幼児性にはあきれ果てざるをえない。
　社民党の中には、閣内に残って、沖縄負担軽減の道を探ったらという意見もあるようだが、そのほうがよっぽとまともである。　
　村上新八

　２６日ロシア南部の都市、スタブポリの中心部にある文化、スポ－ツ施設で手製爆弾によるとみられる爆発があり、死者７名、負傷者４０名以上を出した。被害者はチェチェン舞踊団の公演を観にきた観客であっという。
　犯行声明は出ていないが、チェチェンの過激派によるものであろう。
　去る４月２０日にも、二人の女性による自爆テロがモスクワの地下鉄で発生、多数の死傷者を出したばかりである。
　後に、この女性二人は、いずれも夫をロシア軍に殺害された、いわゆる「黒い未亡人」であったことが判明したのだ。二人は将来を悲観して、あの世で夫に再会しようと、自爆テロの途を択んだものであろう。
　ロシアは、これに対して直ちに報復行為に出たが、今回のテロはその再報復であったのかも知れない。
　このような報復合戦は今後とも続くのであろう。
　村上新八
　

　韓国の哨戒艦「平安」が北朝鮮に撃沈された問題で両国間の緊迫の度が高まっている。
　韓国は、この問題を国連安保理に提訴し、掲載決議を求めるとともに、一切の交流を絶ち、独自の制裁を加え、更に、６年ぶりに北朝鮮を韓国の「主要な敵国」と指名することにした。
　国連への提訴には、日米も同調することが決まっている。
　これに対して北朝鮮は、相変わらずの厚顔無恥のスタンスで、「韓国のでっち上げ」と強弁し、全軍に対して「戦闘態勢に入れ」と指示した。
　これで戦争に突入することは考え難いが、中国の態度は煮え切らないままである。
　「朝鮮半島の安定が第一であるから、この問題は慎重に対応すべきだ」と云う程度だ。生ぬるすぎも好い加減にしろ、と言いたくなる。
　ここまで、北朝鮮による朝鮮半島不安定化行為の実体が明らかになっているのだから、「非は非」と何故言えないのか。
　呆れ果てるばかりである。これでは世界における中国の信用はがた落ちである。
　村上新八

　口蹄疫の蔓延で大打撃を受けている宮崎県の牧畜農家の苦悩は良く分かる。
　しかし、伝染力が強く、感染拡大のスピ－ドが早い口蹄疫の被害拡大を防ぐためには、ワクチン接種による感染力の押さえ込みと、蔓延の可能性のある区域での家畜の全頭処分という方法しかないのである。
　これに対して、宮崎県は、権の至宝である種牛４９頭については、経過観察にしてもらえないか、と強く要望している。
　種牛を育てるのは７，８年は掛かるから、その気持は良く分かるが、そんな中途半端な対応が　口蹄疫の更なる蔓延を招くことになりかねないのだ。
　ここは、断断乎とした、全頭処分という鉄則を貫徹するしかあるまい。
　それによって困窮することになる牧畜農家に対する公的保障を十分考えねばならないことは勿論である。
　村上新八

　北朝鮮の韓国哨戒艦撃沈問題は、国連安保理に提訴されるが、これに対して、中国がどういう態度にでるかが注目されている。
　北朝鮮は、否定し、「戦争局面だ」などと強がりを言っているが、物的証拠は十分揃っており、北朝鮮の友邦中国もこれを否定することは出来ないはずである。
　そこで、中国が国連安保常任理事国として、どういう態度に出るかが注目される。
　中国はこの提訴を否定し得る根拠はないし、北朝鮮を悪者にする決議に与することは好ましくないという判断で、制裁決議提案の採択には棄権するのではないか、との観測もあるが、ここは断乎たる態度をとって、是々非々を明確なし、制裁決議に賛成すべきである。
　そうしないと、中国は正義意識のない国だと思われるだけでなく、北朝鮮が図に乗って、第二、第三の暴挙にでない、とは限らないからである。
　村上新八

　小沢の土地購入問題について、検察は、検察審査会の「起訴相当」の決定によって、再調査した結果、再び「不起訴」とした。
　しかし、新聞論調と、「小沢の説明」を要求している。国会の「政治倫理審査会」でも出席して説明を求めてやまない。
　この種の説明要求というのは、「自白強要」のような感じがしてならない。
　小沢としては「秘書を信頼して、全面的に任せていたから、そのような政治資金規正法違反をやっていたとは、全く知らなかった」といよりないであろう。
　これは、いままでの記者会見で、再三述べてきたことである。それが本当なら、それ以上、話すことは何もないはずである。新聞は、その奥に何かあるはずだ、と勘ぐって、それを聞き出したいのであろうか。
　だとしたら、小沢が何回説明しても、説明不十分だと云うであろう。
　それよりも、責任者としての小沢の管理不行き届きは間違いないのだから、小沢の責任を追及したいなら、その方向から攻めるべきではないのか。
　村上新八

　韓、米、豪など４カ国による綿密な調査の結果、韓国の哨戒艦「平安」は北朝鮮の潜水艦による魚雷攻撃てで撃沈されたものであることが、魚雷の残骸などの物証によりはっきりと証明された。
　これに対して北朝鮮は、「完全なデッチ上げだ。全面戦争局面も辞さない」などと憤った振りを見せている。
　北朝鮮は、これまでも、韓国要人グル－プのビルマにおける爆破攻撃や大韓航空事件など、明白な証拠があるにも拘わらず、否定してきた国であり、今回も見え透いた頬かぶりをしているのだ。国家としての矜持のかけらもない、全く汚い国である。
　ブッシュは、北朝鮮を「テロ支援国家」の指定を解除したが、改めて「ならずもの国家」「テロ推進国家」の指定をすべきである。
　韓国は当然、国連安保理に対して、北朝鮮制裁の決議を求めるであろう。日米は進んでこれを支持するが、問題は中国がどう出るか、である。
　韓国支援の中国といえども、これたけ証拠が挙っていては、北朝鮮の蛮行を否定するわけにはゆくまいが、北朝鮮制裁決議に当たって曖昧な「棄権」などの選択をするようでは、安保常任理事国である大国としての面目は丸つぶれになるのだが、さてどういう態度にでるのか見ものである。
　村上新八