引っ立てられて裕介少佐が尋問室に連れてこられたわ。インテリジェンスの将校が捕えられてきたのだから、尋問はいよいよ熾烈になるのかと思ってゾ～としていると、ミステリアンたちは何にも言わずに裕介少佐と裕子とを並んで立たせたかと思うと、２人をまとめて紐で縛り始めたの。その縛り方も、何というか、裕子の脚を明らかに意識した縛り方なので思わず吹き出しちゃった。気の毒なのは裕介さんね。脚長差があからさまに出てしまったわ。本人は結構まんざらでもなさそうなのが癪に障るわ。どいつもこいつもこんなにだらけていていいのかしら。裕子にはもっとシビアーな命令が出たはずなのよ。

取調室では、緊張感のほとんど感じられない、裕子の脚ばかりに注目した取り調べがだらだらと続いていたわ。裕子としては一応暫くは身の安全が保障された感じなので、よかったと思ってるんだけど。〝何でこんなに長いんだ”なんて言われたって裕子知らないわ。生まれてから今まで、別に何にも特別なことはやってないわって言うしかないでしょ。そんなこんなで２時間ほどたったとき、地球人らしき男が１人、青のミステリアンに引っ立てられてきたわ。この地球人らしき男の捕虜は、何と、テレパシー指令にあった裕介少佐だったの。でもお互い虜の状態で邂逅したって、いったい何の仕事ができるのかしら。

尋問室に連れて行かれて、真っ先にミステリアンたちがやったことは、裕子の股間にメジャーの端を押し当てて、脚長を測ることだったの。この宇宙大戦のクライマックスのさなかに、まったく何考えてるんだか。

裕子はミステリアンの多分憲兵にレーザーガンの銃口を突き付けられ、引っ立てられたわ。恐らく尋問室に連れて行かれるんだと思う。でも拷問質だったらいやだな。

裕子は活路を見出すために、積極的に格闘したわ。そのために、正直、疲れ果てたわ。もうこれ以上は無理だと思った時、杉本指令から待ちに待ったテレパシー命令がでたの。"裕子君、良くやった。敵は全宇宙において完全に包囲されたし、惑星を破壊するデススターも完全に無力化した。これをもって、後編作戦 Phase 1 を完了とする。Phase 2 は各包囲網内での殲滅戦である。裕子中尉は、Phase 3 の枢軸軍の頭脳システムの無力化の準備として、裕介少佐と邂逅し、捕虜を装って敵中枢の暗黒神に肉薄すべし！"だっけ、これもなかなかの難問ね。

そして、完全に裕子はミステリアンにホールされちゃったわ。これで裕子に課せられた時間稼ぎ作戦はジ・エンドって訳ね。拉致された裕子にはこれからどんな運命が待ち受けてるのかしら。

脚には自信があるとはいえ、2時間も走り続けてるともうへとへとよ。ミステリアンは一鞍でも湧いて出てくるから、もうこれ以上逃げ切れないわ。ちょっと気が抜けた瞬間、股間にに手が巻き付いてきて、動きが完全に封じられちゃった。裕子もいよいよ年貢の納め時なのね。残念だけど。