ブレインバンク登録について

2018年3月に二人分生前ドナー登録をしました。　妻は昔から献体をすると意思表示していましたが、CBD罹患以来通院先である国立精神神経医療研究センターで説明を受けて登録した次第です。

現在の病名はCBDですが、PSPの疑いもあると言われており、病理解剖しなければ最終的に病名を特定できないといわれ、献脳により病名や症状の評価分析をはっきり知ることが出来るようです。
病理学的診断結果は後程遺族宛に通知が来ることになっています。

献脳といっても脳だけを提供するわけではないようで、この疾病は心臓やその他の疾病との関連もあり必要に応じてこれらの臓器も摘出することもありそのことも事前に理解承諾して登録する必要がありそうです。　従って献脳と献体は両立しないということになります。

病理解剖とそれにより得られる脳組織などの病理検体の保存は死体解剖保存法の規定に従って、遺族の同意を根拠に行われることになっています。
献脳ドナー登録の意思表示だけでは病理解剖の実施と献体の保存の正式な根拠にはならないのです。

遺族が同意したら、遺族が病理解剖実施病院に出向いてそこで書面による同意をして始めて病理解剖を実施することになります。
遺族が病院へ行くための交通費用は研究のための謝礼として事務局側から一定の額のクオカードが渡されるようです。

死亡病院(自宅または施設)と病理解剖実施病院を往復するのに要する経費、実際は
葬儀社の搬送費用はブレインバンク事務局が負担することになっています。

病理解剖には通常3~4時間かかるそうです。　病理解剖終了後遺体は自宅等に搬送されます。

病理解剖実施病院は、東京都の場合は、国立精神神経医療研究センター病院と
順天堂大学病院、健康長寿医療センター病院が指定されているようです。

その他の地域では、愛知医科大学加齢医科学研究所、新潟大学脳研究所神経内科、
国立病院機構刀根山病院があるようです。

「脳バンク」広がる

以前にも何度か投稿していますが、今一度。
患者本人も献脳出来ますが、比較対象となる健常者も献脳できます。

2019年9月23日(月)日本経済新聞より
治療法が確立していない神経や精神の疾患の解明に向け、
死後に脳を提供する「ブレイン（脳）バンク」の生前登録が広がりつつある。
登録ドナー数は300人を超え、40人以上の脳が最先端の研究に提供された。
研究の成果は臨床現場にも反映され始めているという。

国内の一部病院が外部の研究者にも脳試料を提供するブレインバンクを
始めたのは2000年代に入ってから。1980年代までに献脳の仕組みが整った
欧米に出遅れた。だが国立精神・神経医療研究センターが2006年に
生前登録制度を始めると、2016年には全国８施設で登録者を一元管理する
ネットワークが発足した。

認知症を研究する東京都医学総合研究所所長は「脳の疾患の多くは生前に
病気の原因を詳しく調べることが出来ず、献脳がないと研究が進まない。
ブレインバンクの創設で日本でも信頼性の高い試料が手に入るようになった」
と評価している。

国立精神・神経医療研究センター「ブレインバンク」
https://www.brain-bank.org/



私自身、10数年前にCBD（大脳皮質基底核変性症）と診断はされたが、
当時の主治医には、「そういう診断名にはしたが、100％の確定診断ではない。
死後に脳を解剖してみないとわからない」と言われました。
それだけ、今だに原因がわかっていないんだと失望したのをおぼ覚えています。
数年後に、このブレインバンクへの登録申請書類を取れ寄せたが、
まだ申請はしていません。