「そうこうしているうちに、やっと待望の侵入者拘束用罠に掛ったわ。科学技術の格段に進歩した異星人のやり方とは思えない、素朴な仕組みなのね。ミステリアンにはもともと無い技術なので、地球流を真似したのかな？　でもこんな空中に吊り下げられちゃったら血が下がっちゃって大変。早くミステリアンが出てきてくれないかな。するとお兄ちゃんから「裕子のライブはすっごい刺激的だね、」だって。 」

「直ちにドームの内部へ侵入せよ！、て言うけど、玄関があるわけでないし、どうしたらいいんだろう。映画なんかではどっかに排風口があったりするんだけど、そんなの捜して青木ヶ原樹海を彷徨ったら裕子が迷子になっちゃうわ。　　　あ！ひらめいちゃった。こそこそと隠れて中に入ろうとするからいけないのね。目立つようにしてて、むしろ相手に迎えに来さすのが手っ取り早いわ。早速監視レーザーや監視カメラの有りそうなところを逆に探して引っ掛かるようにしたの。そう報告したら。らお兄ちゃんは、「それは良い判断だ、これまでの出撃は捕虜になることを不名誉と思わず、合理的戦略だと肌で感じるようにするための予行演習だったんだ、裕子の戦いはこれが主戦法になるだろ」。だって。」

「暫くカオスの世界を彷徨った後、ミステリアンのドームの至近距離に時空着弾したわ。でもドームには強力なバリアーが張られていたようで、中に入ることは出来なかったわ。その旨、サイコ通信で報告すると、お兄ちゃんの大佐から、裕子の一挙手一投足はみんな見えてるよ、て返信があったわ。裕子の全身がセンサーになっていて、裕子も含めて周囲が画像になるんだって。ダークエネルギー通信の為せる技なんだって。そして、直ちにドーム内部へ侵入する算段をした前って命令されたわ。それにしても裕子はあられもない姿で着地てるぞ、パンツ丸見えだよだって。こんなセンサーかなわんわ～。」

「この作戦にマニュアルは無いの、って聞いたら、裕子しかできない作戦にマニュアル何かいるかですって。結局裕子の頭では理解しきれなかったけど、現場へ行ったら裕子のやるべきことは自ずと分かるから気にするなだって。まあ行ってみるか。てな訳でこの時空バイパスから1人で出撃します。心細いけど。」

「これは多分裕子でなければ出来ないことなんだって。地上戦闘や空中戦は腕力豊かな戦争のプロに任せて、裕子は敵の中枢部に飛び込んで内部崩壊させることが主任務なんだってお兄ちゃんから言われたわ。これは裕子の特異体質熟慮してインテリジェント大佐たるお兄ちゃんが考案した新規大戦略なんだって。裕子何いしていいかさっぱり分からないって言ったら、先ずは出来るだけミステリアンの巨大ドームのど真ん中に時空バイパスを使って単身飛び込んで、さっさと捕虜になるように、だって、後はテレパシーでお兄ちゃんとコミュニケーションを取り続けて最適解を得るようにしようだって。益々分かんなくなっちゃった。それと、裕子は気が付いていないと思うけど、裕子は強力なセンサー機能を持っているから、出来るだけ広い空間を走り回って人間スキャナーとなって欲しいなんて言ってたわ。どうしたらいいのって聞いたら、ただ走り回ってくれたらいいんだって。でも出来るだけ速くね、っていわれたわ。また、ミステリアンは放射能で体全体被曝していて健康な子供が出来ないので、地球の女性と結婚したいと言って100人ほど女性を誘拐しているらしいので、彼女たちの救出も頼む、って言われたわ。」

「新しい制服が届くと必ず新しい任務が来るの。今回は地球のしかも日本が部隊なんだけど、何でも地球時間で1960年くらいに遡るらしいわ。もっと大昔に惑星内水爆戦争で粉々になった三ステロイドと言う太陽系の１惑星の住人の1部が徒党を組んで他の惑星を襲撃してるんだって。その１隊が地球に上陸し、日本の富士の裾野に半径3㎞の土地を占領したんだって。地球上陸の時、彼らは山火事や大地震を起こしたり、巨大ロボットによる襲撃を行ったり、無茶苦茶やってくれたらしいわ。当時の地球人は2大勢力に分かれて反目していたんだってけど、両者協力し合って侵略者のミステリアンに対抗し、当初は科学技術力のレベル違いによって大分と苦戦したらしいけど、熱線回避装置や電子砲なんかを開発して何とか地上戦では勝てる見込みが出来たらしいのね。でもこの時ミステリアンたちは地下に半径100㎞の超巨大要塞を超スピードで建設中で、これが出来たら全世界が占領されちゃうらしいのね。これに対抗することは当時の地球じゃあ到底無理だったので、時空を超えて救援が要請されたって訳。そして、裕子の出番だって言うんだけど、いったい非力な裕子に何が出来るんだろう。」

「お兄ちゃんは制服が新しくなると必ず裕子を触りに来るのね。それってセクハラよ。」「僕を上官だと思ったらそうなるけど、裕子の家庭教師だったお兄ちゃんと思ったら受け入れてもらえるのかな。」「まあ裕子次第と言うことね。しょうがないなあ。許してやるか。」

「結構頻繁に裕子の軍服はリニューアルされるみたい。でも式な時に好きな服を着たいいよって言われてるわ。何しろ月刊地球防衛軍の表紙を飾るのが主目的なんだって。でも何時も裕子が表紙に出て来るのでちょっと恥ずかしいわ。もう裕子オプションが定着してきて、基本ミニ丈、スペシャル超ミニ丈、てことになってるみたい。なんだか今度の制服はお巡りさんみたいね。」

「じゃあ取り合えず裕子の1250㏄バイクを運転する融資だけを見てもらって、後はそのうち「裕子の学園生活（３）」で報告することにするわ。それまで待ってってね。裕子はバイクはクラシックタイプが好きよ。」

「裕子の場合辞めろと言っても聞く筈ないと思ったけど、やっぱり勝手にやりやがった。」「どお、かっこいいでしょう。今度はこれで世界を走り回るぞ。」「もう、頼むからすっ飛び娘になるのは受験が終わってからにしてくれ。それまでバイクは封印だぞ。」