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  • from: ジャニスさん

    2006年08月30日 19時35分36秒

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    民話シリーズ⑭ー1

    【人、人を食う】
    天明二年、この世の地獄を味わった人たちの、残酷な話です。

     この頃、飢饉で苦しんだ人の数はおびただしいものでしたが、特に東北地方はひどいものでした。
    雨が降ればそれが何ヵ月も続き、冬が来れば急に暖かくなる、早い春かと期待すれば、年越しをした途端に想像を絶するほどの厳しい冬が訪れて、それが夏になっても続くといった有様で、田も畑も、まして人の心もズタズタになるところまでいっていました。
     そして七月、太陽の色が血のように赤くなり、八月の浅間山の大噴火が起こったのです。
    溶岩で村は埋もれ、山と積まれた死者の異臭で辺りは息もつけないほどでした。
    やがて天から雨が落ち、再び長い雨になりました。
    植物は痩せて朽ち始め、突然の大霜で僅かに残ったものでさえ死に絶えた頃には人も枯れ木同然でした。
     でも、まだこれらは前触れにすぎなかったのです。
    翌年には、飢えという悪魔がやってきて、人の心さえもむしとり始めました。
    はじめは地中を深く掘ってやっと取れた根をしゃぶり、それが尽きると家族の次に大事な家畜を殺して食いつなぐ…そして、飢えて死んだ人を目の当たりにするうちに、とうとう人の肉にまで手を出すようになっていきました。
    この頃には死人の肉の貸し借りさえあったといいます。

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