ランバ・ラル編
戦上手の
古参兵

ガルマの兄、ドズルの命を受け、その仇討ち役として送り込まれたのがベテラン軍人、ランバ・ラル率いる部隊であった。
汎用型戦闘艦ザンジバルで地上に降下したランバ・ラルはジオンの新型モビルスーツ、グフを駆りWBに強襲をかける。どのような敵か見極める下見程度のつもりのラルにWBはその弱さを露呈する。

「ミサさん、あまり手を焼かせないでくださいね」南大尉はミサのマンションに向かいながら、邪険に言った。「お手数をおかけしました」ミサは謝った。南大尉はミッソー中佐と北朝鮮へ行けるとばかり思っていたが、それがダメになり不機嫌だった。ミサとユーラを迎えに来る前に、防衛省において、北朝鮮に対する輸出禁止品目のリストを作成していたが、南大尉の思い付きで奇妙な品目が増える一方だった。「南大尉、どうして私とユーラは帰されたのですか？ミッソーが手配してくれたのよね？」ミサが尋ねた。

ランバ・ラル編
戦上手の
古参兵

一方、方面司令にしてザビ家の血族が戦死したことでジオン軍の動きが鈍くなった隙にWBは補給と修理を受けていた。
だが、それは連邦の秘密作戦の要として追われる以外に仇として追われることを意味していた。

ミサは困り果てた。この警備員は、たとえ二人が裸になったとしても、さらに難題を吹っ掛けて来るに違いない。「ちょっと電話します」ミサは携帯でミッソー中佐を呼び出した。ミサは現在の状況を話した。「ミサ、了解した。少し待っていてくれ」しばらくすると、南大尉と百貨店の保安室長が現れた。「ミサさん、消しゴムの支払いを済ませて、ユーラを連れて帰ってください」保安室長はにこにこしながら、ミサに言った。「この件は私が処理する。君は売り場へ戻りなさい」警備員は保安室長に言われ、部屋から出て行った。ミサとユーラは何がなんだかわからないまま、南大尉のジープに乗り込んだ。

日本のスキーの黎明期、第13師団の兵士たちがスキー板とストックを手に列を組んで滑降。当時のスキーは一本ストックで杖のように扱った。

ランバ・ラル編
戦上手の
古参兵

ガルマ戦死の報を受けた公王デギン・ソド・ザビは深い悲しみに包まれていた。国葬の準備が着々と進められ、静かに送ってやりたいと想うデギンの心情とは裏腹にガルマの死は政治的に利用されて行く。

「ミサ姉ちゃん、助けて！」ユーラは泣きそうになって言った。「ちょっと警備員さん、小学生の女の子を裸にしてどうするつもりよ」「近頃のガキは油断もスキもあったもんじゃないからな。商品を股の間に挟んで隠そうとするやつもいるんだ。おっとそうだ。お姉さん、あんたも裸になって見てくれ。二人とも万引きしてるかもわからんからな」「お断りします」「それが断れねえんだよ。このまま警察を呼んで、ユーラを引き渡してもいいんだぜ」警備員は脅しにかかった。

いわゆる＜u＞南部式＜／u＞自動拳銃で、シベリア出兵時に軍手を重ねて着用した際、用心鉄が小さく引き金に指がかけられなかったため、広く改良された。

ガルマ編
突然の裏切り
生死の狭間……

親友だと思っていた男の裏切りに愕然とするガルマ。怒りの矛先をどこに向けたらいいのかわからない状況の中、WBに体当たりを決意する。
最後の瞬間までザビ家という重石に縛られながらも公人として、軍人としてその命を散らしていくのだった……。

「なんて失礼な警備員なの！私はそんなに年じゃありません。私はこの子の姉です」ミサが憤慨して答えた。「姉ちゃんか！えらく年が離れてるな。あんたはこの子にどんな教育をしてるんだ。万引きは悪いことだと、ちゃんと教えてるのか？」「ユーラは万引きするつもりはなかったと思います」「するつもりがないのに、どうして手の平の中に消しゴムがあったんだ」「それは知り合いの人を見かけたので、あわてて売り場を飛び出したんです」「信じられんな。ユーラは他にも何か隠し持ってるかも知れない。ここで服と下着を脱いで全裸になってもらおう」警備員はにやにやしながら、ユーラの全身を舐めるように見た。