新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

新規登録(無料)

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

劇団指揮

劇団指揮>掲示板

公開 メンバー数:24人

チャットに入る

サークルに参加する

サークル内の発言を検索する

新しいトピックを立てる

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

  • from: ジャニスさん

    2006年08月30日 19時40分30秒

    icon

    民話シリーズ⑭ー3



     平賀町とて例外ではありません。
    ろくすっぽ食べる物のないこの世に生まれてきた赤ん坊は松野部落のある下の川の崖下に捨てられました。
    まだ呼吸のあるうちは、泣きながら母の乳恋しさに、必死にはい上がろうとして力尽き、烏の餌食になった乳飲み子たちの無残な姿は、とても言葉では言い尽くせないものでした。
     その崖下の地獄へ、一人の老婆が捨てられました。
    辺りに散らばる白骨や、燐がぼーっと燃える様、地の底からわいてくるような赤ん坊の泣き声に、老婆は発狂したかと思えるほどの凄まじい勢いで、崖をよじ登り始めました。
    老婆にあるのは、ただ生きたいと願う人間の本能だけだったのです。
    けれども、登ろうとするほど崖は崩れ、必死で掴んだ土を見れば、まだ人間の肉を付けた赤ん坊の足です。
    もはや老婆の目は虚ろでした。
    その足の肉をしゃぶり、次々に捨てられる赤ん坊を食べて生き長らえ、ついには老婆も烏の餌食となってしまったのです。
    その時から、この川を崩川(くずれがわ)と呼ぶようになったといいます。

    • コメントする

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0
    • 拍手する

      サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0

    icon拍手者リスト

コメント: 全0件