僕と王妃は、その家に向かって歩いて行った。家は海を望む高台にあった。玄関のベルを押すと、女性が現れた。彼女は顔に細長い線の刺青をしていた。「こんにちは。僕は黒住と言います。こちらは大清帝国の王妃です」「私はアリュート原住民のジーナです」僕達は応接間に通された。「ジーナは一人で、ここに住んでいるのですか？」王妃が尋ねた。「はい。両親は亡くなりました。兵隊さんがたくさん上陸していますが、何かあるのですか？」「ええ。もうすぐここでアメリカとの戦争が始まるのです」「本当ですか？」「本当です。ジーナはこのアッツ島で何をしているの？」「私はアリュート原住民の文化保存活動をしています」