ユキの夫は出張で留守のため、ユキと子供たちはミサのマンションに泊まることになった。その晩、ユーラと子供たちが眠りについた後、ミサとユキはリビングのソファにいた。「お姉ちゃん、どう思う？」「どうって何が？」ミサはユキが何を考えているのか薄々察していたが、敢えて言葉にだすことを控えた。「何じゃなくてさ、さっきユーラちゃんの言ってたイジメの件よ！」ユキはイライラした口調で答えた。子供の頃から弱い者イジメが嫌いで男の子にでも向かっていったユキの性格を思えば、ユキが何を言おうとしているのかミサには十分に理解できた。「ひどい話だと思うわ。まだ１６歳の女の子が自殺にまで追い込まれたんですもの。それにユーラちゃんのことを考えると他人事ではないわね」「でしょ！だから…」「だめよ、ユキちゃん。今回のことは警察にお任せしましょうね」