セイジは得意げだった。西軍の陽子を捕虜にしたのみならず、デビル中佐の部下まで捕虜にしたからだった。ミッソー中佐なら、二人を捕虜にしないで、即座に射殺して放置したであろう。だが功名心にはやるセイジは、捕虜と行動を共にする道を選んだ。この選択が誤りであったことは、まもなく証明されることになった。セイジ達が歩いて行くと、目の前に草原が現れた。この草原の向こうに京子達の西軍がいるはずである。セイジは京子達がこの草原に穴を掘り、じっと息をひそめているのを知るよしもなかった。