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  • from: ☆(⌒杰⌒) AMA-G'ですさん

    2009年09月29日 18時05分17秒

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    四畳半の炬燵で熱燗、まさに「70年代フォーク」


    ☆(⌒杰⌒) AMA-G'です

    秋晴れのすがすがしい季節になった。

    吹く風の中に、少し先の白い季節を予感させるような
    冷たさが混じる頃です。

    掛け布団が厚くなるとともに
    晩ご飯に〈鍋物〉が欲しくなるのは
    つくづく日本人だな、と思ってしまう。

    それはまた、
    ほどよく冷やした純米酒から
    ひと肌に燗をした本醸酒が欲しくなる季節でもあるよね。

    この〝ひと肌〟ってのがけっこう難しい。

    お燗の温度には、
    熱燗・ぬる燗・ひと肌・上燗…などの言い方があるそうで
    このあたりの言い回しが、なんとも言えず
    日本酒の底知れぬ奥深さを物語っている。

    冬にストーブを付けっぱなしにしている所に住んでいるが
    昔と違い、FF式のストーブでかつ、温熱を家全体に循環させているため
    ポット式のように薬缶で湯を沸かし、
    頃合いの良い燗酒を仕上げるなんてできなくなってしまった。

    電子レンジでチンして、
    ほどよく燗酒が出来るほど、日本酒はあまいものではなく
    かといって、台所のガス台の前に突っ立って
    燗酒を仕込むなんてのも風情がない。

    燗酒向きといわれる〈本醸酒〉でも
    銘柄によって、ほどよい燗温度は違うはずで
    お気に入りの酒の適温は、やはり経験から学ぶしかない。

    温めて飲んで美味い酒には
    本格焼酎=乙類焼酎があるけど
    五対五あるいは六対四などのおおざっぱな調整でも
    けっこう美味い、これら麦焼酎や芋焼酎に比べて
    日本酒の燗温度設定はじつに微妙でデリケートだ。

    これまで、自分で燗をつけて
    〝美味い!〟と思った本醸酒というのは、
    実際、あまり無い。

    燗によって、冷やとは違う香りが立ち上り
    日本酒の甘さ成分が引き出され、
    小さな猪口で、ただ一口呑んだだけでも
    口腔から食道、食道から胃へと、じわり伝わっていく
    酒の滋味というものは
    冷やとはまた違った日本酒の美味さである。

    純米酒の冷やなら
    たいてい、1合半入りの平たい片口か、縦型の片口から
    利き酒猪口に注いで呑む。
    が、燗酒の場合は、オーソドックスに
    一合入りの徳利で燗を付けて、
    ごく小振りのぐい呑みか、蛇の目の猪口で呑む。

    肴は、これまた相変わらずの刺身だが
    好きな豆腐を昆布出汁で湯豆腐にしていただくことも多い。

    湯豆腐は少しの生姜としょっぱすぎない昆布醤油のみで
    頂き、薬味にネギなどは使わない。

    ぬる燗で湯豆腐があれば、
    晩ご飯は、それだけで十分である。

    ここしばらく、夜は米の粒を食べないことにしている。
    酒と肴のみで食事が終わる。

    池波正太郎じゃないけど
    年のせいか、大根やコンニャクや豆腐など
    さっぱりしていて、かつなんとなく身体に良さそうな
    食材がうまくてならない。

    年齢が行けば誰しも
    〝肉食系〟から〝草食系〟になる。
    仕事でも私生活でもギラギラとした
    欲望を全面に押し出す必要がなくなったせいか
    食べ物も薄味好みになった。

    銘柄に合わせて、燗の温度を適切に調整できるほどの
    スキルを持ち合わせていないので
    せめて出来ることとして、
    沸騰させない程度のお湯に、短すぎないか、というくらいの
    時間設定でタイマーをかけて、燗をつける、というのが
    今、ワシのやり方だ。

    冬に炬燵を使っていた故郷を出て、
    ストーブとセントラルヒーティングのこの街に暮らすようになって
    吹雪の夜や、底冷えのする放射冷却の日曜の日中に
    家人が仕事で留守なのをいいことに
    〝昼酒〟をきめこんだ。

    部屋自体は十分に温かいので
    ちゃんちゃんこなど着込む必要もないが
    やはり山国育ちには、炬燵のような身体半身を
    ほっこり包み込んでくれるものがないと
    どうも落ち着かない。

    まるで、パンツをはかずにズボンを穿いたときのような
    すーすーした感じになるのは
    炬燵育ちゆえか。

    生まれ育った実家には
    冬になると居間に練炭炬燵を作ったが
    別の部屋には、
    さらに小さな炬燵を設置できるような
    床下穴が掘られていたっけ。

    隠居した、おじいやおばあが
    一人用の炬燵やぐらを組めるための配慮なのだろうが
    あれは、実にいいね。

    地平線の見える場所で暮らしたくてたどり着いたこの地だが、
    家の中では、手の届くところに何もかも揃えておけるような
    狭っ苦しい空間が好きだ。

    やはり70年代フォークの世代ゆえなのか
    四畳半に小さな炬燵やぐらを据えて
    右手を伸ばせばアコギがあり
    左手をのばせば小型冷蔵庫があるような
    そんな空間が理想でもあり、希望でもある。

    部屋の三方は壁、
    正面にだけ開けた窓があり
    その向こうには草原と少し先には防風林が
    はるか先には早くも雪をかぶった山の稜線が見える。

    ちゃんちゃんこの背中を丸めて
    身体半分を炬燵に突っ込み
    いま丁度いい感じについたばかりの燗酒を
    ちびりちびりとやりながら
    夕方、流し売りの豆腐屋から買った豆腐を
    炬燵の天板の上の焜炉で湯豆腐にして
    煮えすぎないうちにハフハフいただく。

    まさしく、〈70年代フォーク〉の世界だね。

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