裕子は高校2年生のとき某テレビ局にスカウトされ、今では土曜日の30分間を裕子の時間に割り振ってもらっているわ。今の本職は地球防衛軍の宇宙作戦部の中尉なんだけど、週に3時間だけパートタイム・キャスターとしてテレビ局の仕事をしているの。裕子のコーナーは当初は「脚長バトル」といって、裕子と脚の長さを競うのが趣旨の番組だったけど、今では魅力的な女性を招いてトークし合うという風に変わって来たわ。今日のゲストさんは「スカサハ」さんと言って、「シロクマ」さんから紹介された、とっても不思議な美少女なのよ。何でも死んだ伝説の英雄を蘇らせて、再就職させるお仕事をしてるんだって。まるでゲームの世界の様なお話ね。「スカサハ」さんはどう見ても17、8の可憐な美少女だけど、実際は何千歳だか分かんないんだって。なんか裕子と似たような境遇なのね。裕子は、今宇宙パトロールの守備範囲が広がって多元宇宙まで足を延ばしているけど、実次元空間ばかりで「スカサハ」さんの活動舞台となる虚次元空間へは行ったことはなかったわ。この虚次元空間は幽界とか黄泉の国とか呼ばれているところで、そこで彼女は黒タイツに身を固めて、あらゆる武術を駆使して活躍してるんだって。とっても目の前にいる可憐な美少女からは想像もできないわ。もともとアイルランドの伝説がこの活動のルーツなんだって。裕子はアイリッシュ・ウイスキーのオールド・ジェムソンが大好きよ。あんまし関係ないか。最後に亜空間のどこかでまた巡り合いたいねって固く抱き合って終わりにしたわ。「スカサハ」さんありがとう。