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from: ぽっぽさん
2025/10/03 12:58:20
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◆ 戦後80年その1 ◆
8月の渡米中の「新聞記事(登山リーダーから頂いた)」を読み終えましたので、記事の掲載順にご紹介いたします。
やはり「太平洋戦争終結80年」に関する記事が主でした。
◆ 戦後80年その1 ◆ 2つの新聞記事からですが、長文になりました!
【戦後80年「ごっこの世界」】 6月下旬の記事です。
ー 佐伯啓思(さえきけいし)氏(京都大学名誉教授) ー
= 米国追従続けた日本 真の現実に直面せず 楽園は変わらず漂う =
・<今年=2025年>8月15日で戦後80年を迎えるが、いつまで「戦後〇〇年」といい続けるのだろうか。
理由はいまだにあの大戦の意味づけが確定できないからだ。
戦争の意味づけとは、いいかえれば歴史観であり、それなりの歴史観がなければ「戦後」の歴史解釈も不確定のままだ。
・戦後の日本は冷戦下での米国への追従によって、世界史の中でもまれに見る平和と経済発展を遂げ、民主党政権が言い続けてきた「平和と繁栄」はおおよそ実現できた。
・1970年に「戦後」はひとまずの区切りを持っていたと思う。
<19>70年には、日本で初の万国博が大阪で開催されたが、それは日本の戦後復興の完成であり、高度成長の頂点であった。
同時にこの時代は思想的には左翼全盛期であった。
また、「沖縄返還がなければ戦後は終わらない」と宣言していた佐藤栄作首相のもとで<沖縄>返還が実現した時代である。
・<この時代に>「江藤淳(評論家)」による論考「『ごっこ』の世界が終わった時」が発表された。
江藤氏はたとえば左翼系の学生運動はせいぜい「革命ごっこ」であり、自民党の唱える自主防衛もまた「自主独立ごっこ」でしかない。
三島由紀夫の「楯(たて)の会」も「軍隊ごっこ」である。
・そこには、厳しい現実に直面した身を切るような経験がなく、皆が「ごっこ」に参加させられている。
その理由は防衛にせよ経済にせよ戦後日本の基本構造はあくまで米国によって作り出され支えられてきたからである。
・戦後日本の「平和と繁栄」は米国の支えなしにはあり得ず、それは日本が米国の国際的な戦略に編入されることを意味していた。
江藤氏は論考の後半で、戦後日本の「ごっこの世界」は終わりつつある。
「ごっこの世界」とはリアルな現実に直面しない一種の楽園であるが、この楽園の出し物は終わりを迎えつつある。
理由は冷戦構造の変化や、日本の奇跡的な経済成長により、日米関係も大きく変化するからだ。
いずれ遅くない将来、日本は念願の「自主独立」に近づくだろう。
そして、リアルな国政政治の現場に遭遇した日本は、ようやくあの敗戦の意味を論じ、その敗戦からの回復という現実に直面するだろう。
それは日本のアイデンティティーの回復であろうと述べている。
= 歴史断ち切り からっぽが広がっているとしたら =
・戦後の日本は「敗戦」を「終戦」といい、<19>45年8月15日を「終戦の日」と称してあたかも戦後民主主義を立ち上げた記念日であるかのように装った。
そのことにより、真の「終戦の日である<19>52年4月28日(サンフランシスコ講和条約発効)は歴史の教科書の欄外に注記される程度になってしまった。
・三島由紀夫が自決する前のエッセーに「このままの日本にたいした希望を持つことができない。 このままでは『日本』は無くなって、その代わりに無機的でからっぽで中間色の抜け目のない、経済大国が極東に一角に残るであろう」と述べているが、三島氏の遺言はおおよそ現実の物となったと思われる。
三島氏の戦後日本への憎悪に似た嫌悪感はなによりも敗戦の翌年に出された天皇の「人間宣言」に向けられた。
それは、神という宗教的観念から天皇を切り離すものであり、それにより戦後日本の文化は歴史から切断され、全体的な統一性を失い、人間の営みを越えた「聖なるもの」への結びつきを失った。
・その結果、今日の日本文化はにぎやかな楽しいい物に満ち溢れているが、人の心を震わせることはできず、万事が脈絡なくバラバラに散らばっている。
・戦後80年、今日の日本は表面上は楽しくにぎやかで楽園の様相を示しているが、その背後に広がるものが、無機的でからっぽで抜け目のない精神状態だとすればどうだろう。
<19>70年に江藤氏が投げかけた問いはその後、ほとんど忘れてしまい、「ごっこの世界」が当然となって行く。
せっかくの80年の節目ならば「戦後論」を政治家に期待したくなるが無理な話だろうか。
・・・かなり難しい内容でございました。
佐伯氏は最後に『せっかくの80年の節目ならば「戦後論」を政治家に期待したくなるが無理な話だろうか。』と書いてお見えですがおそらく「無理」でしょうねぇ!
というよりは「今の政治家はそんなこと考えてもいない」のではないでしょうか?
「御身大切」「裏金問題」などなど・・・嫌になってしまいます (TωT)
【沖縄の女性 静止した時間】 7月中旬の記事(沖縄生まれの2女性)です
= 凄まじい暴力 今も生活圏内で = 玉置 愛氏(沖縄女性史研究)
▲沖縄の基地負担をどう考えるか?▼
・大学1年の時、学生中心のグループを立ち上げ、それ以来安全保障や基地問題を通じて社会問題に向き合ってきた。
・私に「沖縄の米軍基地は安全保障上必要。 それが日本の世論だ」と言ってきた人がいるが、そんな言葉を沖縄の人たちに吐き出せること自体が「やまとぅんちゅ」のおごりだ。
▲沖縄の女性が置かれた状況に視点が向いたきっかけは?▼
・2016年の大学4年生の時、うるま市で当時20歳の女性が殺害された事件で、元海兵隊の軍属が逮捕され女性が遺体で見つかったというニュースを見た瞬間が記憶に刻み込まれた。
・沖縄戦線から80年経っても、巨大な軍事基地がすぐ近くにあり、フェンスを隔てて街と接していて、沖縄の女性が置かれた状況は何も変わっていない。
▲沖縄の女性たちはどのように声をあげたか?▼
・<19>95年の性暴力事件では女性たちや女性団体が強い抗議の声を上げたと報じられ、沖縄の政治史にも記録されているが、女性たちの運動は<19>95年に始まったのではなく、沖縄戦後から積み重ねた運動史があった。
▲女性の視点から見た沖縄の戦後とは?▼
・沖縄の政治史において登場人物が男性ばかりというのはおかしい。
<19>95年の事件もこの島々で生活している人たちが怒りの声をあげた。
一度ではなく女性たちは何度も声を上げてきた。
多くの女性が生活に根ざしたかたちで抵抗してきたことを忘れてはならないと思う。
・沖縄女性たちが歩んできた歴史と積み重ねてきた思想に、私は根底から強く支えられている。
言葉にならない痛みや受けてきたすさましい暴力を想像し、語られる体験に耳を傾けたい。
= いびつな構造”内側”もむしばむ = 崎山多美(さきやまたみ)氏(作家)
▲戦後80年間、沖縄の女性たちはどんな生活を送って来たか?▼
・「基地の街」と言われた「コザ(現沖縄市)」に住んで沖縄社会を見てきたが、女性への性暴力は長い間、表には出ない形で日常的な風景としてあった。
米軍基地の存在が問題の根源であることは自覚していたが、抗議や抵抗という形で声を上げるのは難しかった。
▲1995年の米兵による少女暴行事件では大きな抗議運動が起きたが?▼
・女性たちのグループが抵抗の声を上げ、当時の「大田昌秀知事」が動き、ようやく本土メディアが報じた。
それ以前にももっとひどい事件が数多く起きていたのに大きな声をは上げられなかった。
その背景にあったのは経済的な貧しさだ。
コザでは基地労働者や米兵を客にした商売で生活している人々が多くいて、米軍基地から「経済的恩恵」を受けているという現実があった。
▲沖縄の若い世代に何を思うか?▼
・沖縄県の子どもの貧困が全国最低レベルであることが問題になり、経済的に恵まれない生徒向けの県の事業で塾が開かれそこで講師をしている。
多くの生徒は、「慰霊の日」である6月23日を「県の休日」という意識しかない。
沖縄戦で日本軍の組織的戦闘が終わった日であることを知らない。
「新聞を読みなさい」と言っても「1人親家庭」が多く、目の前の生活に必死で余裕がなく、今も「貧困問題」は深刻だ。
▲ウクライナ戦争を機に安全保障意識が高まり、沖縄の基地負担を当然視する傾向が生じているが?▼
・ずっと沖縄は「境界の地」として「防衛」という名の軍事負担を強いられてきて、どんなに抵抗して声を上げてもなし崩しにされ、基地負担は堅固になるばかりだ。
背景にあるのは、戦後ずっと米国に日本政府自体が絡め取られ、そこら抜け出せないままに沖縄に矛盾を集中させてきたという政治構造からくる「ゆがみ」だ。
▲その沖縄のなかで女性たちは負担と犠牲が集中しているが?▼
・沖縄の女性たちは事件事故の直接犠牲者という形だけではなく、癒しようの無い精神的傷を負わされ続けている。
戦争の犠牲ということでは、ガザやウクライナでも特に弱い立場の女性や子どもが手ひどい暴力を受けている。
沖縄で起きている弱者への暴力は植民地主義的な大国の権力構造のなかで、世界中で起こっていることにつながっていると思う。
・・・とあります。
沖縄大好きな私としましては心が痛みます (TωT)
長くなりましたので「戦後80年その1」はここまでとしますが「戦後80年シリーズ」はまだまだ続きますのでよろしく!-
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