大手証券５社の０９年９月中間連結決算が３０日出そろい、全社が最終黒字を確保した。金融危機による市場の混乱で０９年３月期は全社が最終赤字だったが、今春以降の市況回復や、社債発行などによる企業の資金需要増が証券会社の収益を押し上げた。

　野村ホールディングスは昨秋のリーマン・ブラザーズの買収効果で、海外の株式・債券売買業務が好調で５社中で唯一、売上高に相当する営業収益の増収を確保。大和証券グループ本社やみずほ証券は大型増資の主幹事業務など投資銀行部門が好調で黒字転換を果たした。会見した大和の岩本信之・最高財務責任者は「市場の不安定要因は完全にぬぐい去れていないが、積極投資も進めていきたい」と述べた。

　また、インターネット証券５社の中間決算は個人投資家の売買が振るわず、全社が減収だった。ＳＢＩは手数料の引き下げで約９万件の新規口座を獲得し、経常増益を確保。楽天は外国為替証拠金取引（ＦＸ）の手数料収入が堅調で最終黒字に転換した。【工藤昭久】