本日の注目個別銘柄
[本日の注目個別銘柄]
6770 アルプス電 645 +5
しっかり。官民出資ファンド「産業革新機構」が、同社の事業部門を分割して設立す
る新会社に最大100億円を出資する方針を固めたと報じられたことが買い材料視され
ている。電気自動車やスマートグリッドなどに使われる電子部品の開発力を高めるの
が狙いで、新会社は2015年にも株式公開を目指すと。昨年12月に環境対応型電子部品
の開発について検討を始めると既に発表していたものの、スマートグリッドなどのテ
ーマ性が意識され短期資金による物色の動きが強まる格好にも。
8057 内田洋 311 +43
大幅続伸。文科省は11年度から「脱ゆとり」路線に転換した新学習指導要領に対応す
る初めての教科書について、全教科の平均ページ数が以前の教科書と比較し比べると
4割程度増えると発表したことが材料視されているようだ。同社では学校教材などを
手掛けており、「脱ゆとり」が追い風になるとの思惑。また、公取委は、航空自衛隊
発注のオフィス家具を巡る入札談合疑惑で、同社など5社に対して課徴金納付命令と
排除措置命令を発表しておりアク抜けにつながる格好にも。
7201 日産自 801 0
電気自動車「リーフ」を376万円で12月から販売し、2012年に年20万台の量産体制を
敷く計画と発表しており素直に評価されているようだ。すでに大口法人自治体で1600
台、一般の客からも7700台の先行登録を得ているとも伝わっている。また、アナリス
トからは同社がほぼ内製化するリチウムイオン二次電池やモーター、インバーターな
どの主要部品は量産化に伴い原価低減が可能で、今後のコストダウンによる採算性の
向上が期待できるなどＥＶ戦略にポジティブな評価が多く見られている。
6728 アルバック 2427 +14
6日続伸。三菱ＵＦＪでは投資判断を「3」から「2」へと引き上げ、目標株価を2780
円に新規設定している。ＬＧディスプレイやサムスン電子など韓国パネルメーカー、
中国の液晶パネルメーカー及び有機ＥＬパネルメーカーの積極投資を映して、10年6
月期以降の受注及び業績予想を見直し。四半期ベースの営業利益が10年6月期2Ｑには
黒字転換し、3Ｑから同社主力株のＦＰＤ製造装置の好調で黒字基調が継続すると判
断している。
9104 商船三井 671 +23
10年3月期業績の上方修正を発表し、後場プラス圏に転じる。事前の観測報道では、
経常損益が170億円前後と報じられていたが、220億円まで引き上げられたことが好感
されている。また、同時に2013 年3 月までの新中期経営計画を発表。13年3月期の売
上高を10年3月期比33％増の1兆8000億円、経常利益を同6.8倍の1500億円としてい
る。運行規模の安定的な拡大も見込むなど、来期以降の一段の業績改善に期待感が高
まる格好となっている。
6101 ツガミ 605 -29
下げきつい。年度末を控えた手仕舞い売りの動きから、河合楽や鬼ゴムなど直近で強
い動きとなっていた銘柄の下落が目立っている。また、設備投資関連については、
「工作機械短期受注観測調査」の3月の結果によると、4月の受注見通し悪化も伝わっ
ている。その他、明日の日銀短観における新年度の設備投資計画では堅調な見通しが
示される見込みではあるものの、期初は慎重な数字も出やすいことから警戒感が高ま
っているようだ。
7545 西松屋 972 +18
決算発表直後は上げ幅広げる。前期営業利益は91.5億円で前期比微増、従来計画92.9
億円はやや下回る着地。今期は100億円で同10％増の見通しとなっている。昨日は野
村の格上げが材料視されたが、野村予想では今期営業利益は102億円の予想で、ほぼ
同予想と同レベルとなっている。決算インパクトは乏しいが、40万株を上限とする自
社株買いの実施も発表、プラス材料と捉えられているようだ。
8604 野村ＨＤ 689 -13
さえない。メガバンクと同様に、海外金融株安の流れを引き継ぐ格好へ。また、ＪＰ
モルガンや大和が第4四半期の決算プレビューレポートをリリースしている。1-3月期
の純利益は、大和が数十億円にとどまったと推定、ＪＰモルガンでは30億円強と予想
している。今期は各四半期ベースで100億円以上の利益を確保していたが、第4四半期
は水準が低くなるとの見方に。なお、ＪＰモルガンでは投資判断「オーバーウェイ
ト」継続ながら、目標株価は930円から860円に引き下げている。
9831 ヤマダ電機 6900 +150
強い動き。薄型テレビの駆け込み需要が急拡大との報道が、家電量販店各社の買い材
料にもつながっている。3月22-28日の薄型テレビ販売台数は前年同週の3倍強にまで
増加しているようだ。同社に関しては、今月後半は平日でも通常の週末並みの客数に
なっていると。4月以降の反動減に関しては、改めて警戒感を高める状況になってい
ない。
4098 チタン工業 260 +60
後場は出来高を伴って急騰。前引け後に新製品の企業化を発表、期待材料につながっ
ているようだ。リチウム電池の部材として、チタン酸リチウムの開発に成功、国内初
のチタン酸リチウム製造設備の設置を決定としている。東芝が大株主の一社でもある
など、改めてリチウム電池関連としての位置づけを高める展開に。13.3期売上高15億
円を目指すとしている。
4574 大幸薬品 1505 -2
小幅安。前日に業績予想下方修正を発表、営業利益は従来予想の29.9億円から24.7
億円に下方修正。今期は2度の上方修正を行ってきたが、新型インフルエンザの想定
以上に早い終結から、年明け以降は除菌消臭剤の受注が急速に伸び悩んでいる模様。
ただ、今月中旬には、業績下ブレの可能性を示唆していたために、ネガティブインパ
クトも限定的な状況である。
銀行株
メガバンクは総じて軟調。ギリシャ国債入札の不調などを映して、各国で銀行株が売
られた流れを引き継ぎ、利食い売りが先行しているもよう。一方、地銀株は総じて確
り。郵貯限度額2000万円で決着報道などアク抜けにつながっていると見られるほか、
銀行セクター内での出遅れ感を意識も。ドレッシングといった見方も観測はされてい
る。なお、大和では地銀のセクター判断を「強気」から「中立」に格下げしている。
5108 ブリヂストン 1596 -4
さえない。ムーディーズが欧州自動車部品メーカーは値下げを余儀なくされる可能性
の一方で、原材料価格は上昇する公算と指摘、ミシュランが3.5％安と売り込まれた
ことなどを嫌気している。また、ＧＳでも、天然ゴム価格の上昇などを背景に、タイ
ヤ株の弱気姿勢を継続、同社の売りを再強調としている。
5233 太平洋セメント 134 +2
しっかり。前日の取引時間中に業績予想の下方修正を発表、営業利益は50億円から20
億円に、最終損益は45億円の赤字から400億円の赤字に下方修正している。セメント
販売数量の減少に加えて、事業構造改革費用の計上などが主因となっている。ただ、
構造改革実施に伴う収益体質の強化に対する期待感が先行しているほか、資産売却に
より、懸念されてきている増資額の圧縮なども図れるとみられている。
8905 イオンモール 1971 +51
続伸。メリルでは「中立」から「買い」に格上げ、目標株価も2100円から2600
円に引き上げている。株価は資産価値だけでなく、ＰＥＲでも今期以降の利益成長を
考慮すると割安感と指摘。国内市場の底打ちを背景に、11.2期から13.2期まで営業利
益の平均成長率は8％と再び成長軌道に戻ると予想。
2267 ヤクルト 2522 -96
売り優勢。メリルでは投資判断を「買い」から「アンダーパフォーム」に、ＪＰモル
ガンでは「ニュートラル」から「アンダーウェイト」に、それぞれ格下げしている。
ともに海外ヤクルト事業の成長鈍化傾向を指摘、11.3期の業績予想を下方修正してい
るもよう。来期も高い増益率がコンセンサスとなっていただけに、ネガティブなイン
パクトが強まる格好へ。
《KN》