【ブリュッセル福島良典】欧州連合（ＥＵ、加盟２７カ国）は２５日、ブリュッセルで加盟国大使会合を開き、リビアの最高指導者、カダフィ大佐と側近に対して武器禁輸、資産凍結、渡航禁止の制裁を科すことで合意した。来週初めにも正式決定する。欧州外交筋が明らかにした。

　禁輸対象には武器だけでなく、リビア当局による反政府デモ隊の武力鎮圧に使用され得る装備も含まれる見通し。欧州外交筋によると、ＥＵ域内資産凍結と査証発給停止の制裁対象者リストは来週初めまでに詰める。

　ＥＵのアシュトン外務・安全保障上級代表（外相）は２５日、記者団に「リビアにおける暴力を止めるため最大限の圧力をかける措置を考える時が来た」と語った。

　一方、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ、加盟２８カ国）は２５日、ブリュッセルで緊急会合を開き、在留外国人の退避や避難民の救済での支援の可能性を協議した。スペインは空中警戒管制機（ＡＷＡＣＳ）と艦船を派遣するよう提案している。

　また、ＥＵの行政府・欧州委員会は２５日、リビアから近隣諸国に脱出した避難民に対する人道支援として３００万ユーロ（約３億４０００万円）を拠出すると発表した。国際機関や非政府組織（ＮＧＯ）による医療品、食料、毛布などの購入資金に充てられる。