【ワシントン時事】米上院は２９日夜（日本時間３０日午前）、下院で同日可決した政府債務の法定上限を２段階に分けて引き上げる野党共和党提出の法案を審議しないことを賛成多数で決定した。上院民主党はこれに代わり、リード民主党院内総務が策定した独自案を審議、３１日未明には上院での最終採決に持ち込むための投票を行う方針だ。
　上限が引き上げられないと米国がデフォルト（債務不履行）危機に陥る期限の８月２日を前に、与野党間でぎりぎりの攻防が続く見通し。
　３１日に行われるのは審議打ち切り動議をめぐる投票で、可決には定数１００に対し６０票が必要。民主党は野党共和党議員の票も取り込まざるを得ず、審議はヤマ場を迎える。その後の民主案最終採決は多数決で決定する。
　リード院内総務の同法案は当初、一気に債務上限を引き上げる方法だったが、ロイター通信によると、最終案は共和党に歩み寄り、大統領に上限を段階的に上げる権限を付与、最終的に総額２兆４０００億ドルの引き上げを認める。また、財政赤字を１０年間で２兆２０００億ドル削減する。　

［時事通信社］