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from: eriyaさん
2013/03/31 19:54:47
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キプロスのロシアマネー
毎日新聞 3月31日(日)11時44分配信
欧州連合(EU)などの金融支援が決まった地中海の島国キプロスが、支援の条件として高額預金の強制削減を受け入れたことで、預金の3分の1を占めるといわれる「ロシアマネー」が流出の危機にある。支援の条件としてEU諸国並みの税率や金融規制を課せられ、キプロスが目指していた世界の資金を集める「金融立国」モデルは転換を迫られている。
【銀行に長い列を作る市民の写真】キプロス:現金払底、街覆う不安
ロシアの資金は、旧ソ連が崩壊した90年代から流入し始めた。同じ東方正教会に属する文化的近さに加え、キプロスの法人税はEUで最低の10%。株式配当課税はほぼゼロのため、資源ビジネスで財を成した新興財閥が相次いでキプロスに子会社を設立していた。
◇全預金の3分の1
キプロスは租税回避地兼オフショア(海外)金融取引拠点として、ロシア経済に組み込まれてきた。キプロスの全預金の3分の1はロシア資金と言われるまで膨れあがった。ユーロ危機でEU各国が自国の資金を引き揚げる中、11年にはロシア政府がキプロスへの金融支援を実施し、ロシアマネーの流入は続いていた。
キプロスはEUの支援を受ける条件として、大手2行の10万ユーロ(約1200万円)超の預金を強制的に削減することを決めた。削減率は4割に達する見込みで、「約50億ユーロのロシアの預金が打撃を受ける」(英調査会社)とされる。
EUとの金融支援を巡る協議の中で、キプロスはロシアマネーの流出を恐れて全預金者に広範に課税をしようとした。しかし、EU側は「ロシアのマネーロンダリングに使われている」との疑惑から、キプロスに対し、あくまで高額預金者の負担を要求。資金洗浄対策も支援の条件に盛り込み、ロシアマネーの排除にこだわった。
政治家と太いパイプを持つキプロスの著名財界人で国営テレビの取締役も務めるザバリス氏は「キプロスの本当の苦難はこれからだ。金融業が衰退し、若者は島外で仕事を探すしかなくなるだろう」と話す。【リマソル(キプロス南部)で坂井隆之、モスクワ大前仁】
◇「生命線のロシア人が去ってしまう」
「ロシア人はこの街の生命線。彼らが去ってしまわないか心配だ」。首都ニコシアから南西へ約60キロ。海辺のリゾート地リマソルでレストランを営むフリストスさん(54)は、不安顔で語った。店頭には、ロシア語のメニューが書かれた立て看板が置かれている。幹線道路沿いには、食料品店、書店、不動産、幼稚園など、ロシア語を掲げた店舗や建物が並び「ロシアタウン」の様相だ。
リマソル市の関係者によると、10年ほど前からロシアの企業・個人にサービスを提供する金融会社や高級マンションが急増し、観光客も増加の一途だったという。市は飲食店員とタクシー運転手にロシア語を無料で教える教室も開講。昨年6月にはロシア正教会トップの総主教が訪れ、清めの儀式も行った。ロシアの都市名になぞらえて「リマソルグラード」と呼ぶ地元メディアもあるほどロシア人が経済を支えてきた。
キプロス国内では、預金者負担という荒療治を求めたEUに対し「尊厳を踏みにじられた。ロシアに支援を求めた方がましだった」(タクシー運転手の男性)といった怒りも渦巻く。
リマソルの会計事務所に勤めるロシア人会計士は「もうロシア企業がキプロスに投資をする理由はどこにもない」と言い切る。既に資金の移転についての相談が顧客企業から寄せられているといい、「マルタやラトビアなど別の租税回避地を探すことになるだろう。代わりはいくらでもある」と話す。【坂井隆之】-
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