戦乱の世を戦い抜いた大久保彦左衛門。

　平和な世になって、将軍のご意見番とは言うものの閑職に追いやられ、不満が悶々としていて、奇矯な振る舞いをしては、反省することしきり、しかし、却ってそれが世間でもてはやされることに。

　しかし、世評と彦左衛門の不平とは異なるので、またまた、反省することしきりに。

　彦左衛門の晩年は何か私たちにも教えてくれるものがあります。
　
　要するに、想う存分のことをして、自分でよいと思ったことは世評を気にしないで生きていけばいいのではないかと。

　しかし、般若心経による六波羅蜜、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧を基本に、多少はめをはずしても頓着しない。そのような生き方をしたいと思うのです。

　「笑ってごまかせ、自分の失敗、滅茶苦茶罵れ他人の失敗」はとても実行できなかったのですが、少なくとも自分の失敗ぐらいは、笑って済ませるように大人(タイジン）の心を養いたいものです。